新暦79年
準備期間
memory:41 風邪っぴき
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
は、はい! ちょっと待っててください」
ジークの様子を見て何となく察したのか、パタパタと準備に取り掛かった。
部屋に入りジークをゆっくりとベットに降ろす。
「……あれ? ここは……?」
「私の部屋だよ。数分とはいえ意識失ってたみたいだね」
「そっか……」
収納棚から探し物をしながら状況整理し終えると扉が開いた。
「お待たせしました」
「ありがとイクス」
洗面器とタオルを受け取ってジークの近くに置く。
「ユウ、その子は?」
「妹のイクスヴェリア。それは一先ず置いといて。ジーク、汗だくのままじゃ気持ち悪いでしょ? だからこれで体拭いて。着替えは私のだけど…大丈夫?」
「そうなんや。何から何まであんがとユウ」
「うん。体は自分で拭ける? あれだったら手伝うけど」
「……ユウのエッチ」
「っ、ゴメン。イクスに…私の妹に手伝ってもらう?」
「(別にユウがやってくれてもええのに……)そんなら……」
-side end-
-side other-
パタン。
部屋から一人出ていった。
ジークリンデの体を拭くためにタオルを搾る。
「それでは拭きますね」
「うん、お願いします」
ジークリンデの背中をゆっくり撫で下ろすように拭く。
「ひゃう!?」
「どうかしました?」
「ちょっとビックリしただけ」
それを聞いて安心したようで、再開した。
「そういえば自己紹介がまだでしたね」
「そやね。……えっと、あなたはユウの妹さん、だよね?」
「ええ。悠莉の妹で、八神イクスヴェリアです」
イクスヴェリア。
そう聞いてジークリンデの脳裏に冥王という単語がよぎる。
「ウチの勘違いかもしれんけど……もしかしてあの冥王やったり、する?」
「元が付きます。今はただのイクスヴェリアですけどね」
「そっか」
それ以上は何も聞かなかった。
「ウチはジークリンデ・エレミヤ。前々回のインターミドルでユウと出会って、今は友達」
「……なるほど、あの黒のエレミヤの末裔ですか。―――はい、拭き終わりましたよ」
「うん。ありがと」
その後、ジークリンデを拭き終わり、渡した服に着替えたと聞いて悠莉が部屋に戻るとイクスヴェリアは体温計を渡して計らせていた。
そしてしばらくすると電子音が鳴った。
「38度1分……。これは風邪ですね。よくこんな状態でロードワークなんてできましたね」
「インターミドルも近いんだから自己管理くらいちゃんとしないと」
「うん……ごめんな」
しゅんとなるジークリンデ。
「ロードワーク前は少し気怠い感じやってんけど……完全に油断してもうた」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ