第01部「始動」
第10話
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単だった。1機の赤い機体に、それに付き従う6機。あの敵を考えるなら、味方が数体減ったぐらいで取り乱して隊列を崩す敵など歯牙にもかけないでしょう。
連なったオレンジの閃光が瞬く。
2秒として相手に照準を合わさせない。サレナ以外でもこのような結果が出せることに今一度、マスターのデータを修正する。
今のマスターには…
「…ラムダ。次だ」
言われるままにデータを解析して理想のルートを選び出す。
激しいGの掛かる中で、マスターはその軌道を成してみせる。
死と隣り合わせた空間を維持して突き進む。
まだ機体には余力が残っている。敵艦の数はまだ数がある。このままなら…!!
『敵主力艦からエステバリス大多数。標的は…此方です』
何故…先ほどまでは…
「当たりってことだ」
大型艦から映像通信が強制介入。何故?此方の通信チャンネルが相手に!?
ハッキング?それはあり得ない。機体への直接回線も軍艦経由の接続も全て私が抑えている。元々知っていた?なら敵は…
『………テンカワアキトだな!』
映像通信には一人の男が映っていた。赤と白を基調とした服を着た、細身の筋肉質な感じがする様子。
「…」
『私は元木蓮。現火星の後継者を束ねている南雲義正だ』
映像が流れている中で、マスターは冷静に接近していた3体のエステに攻撃をしてフィールドエネルギーを落とす。
『貴様のせいで中将は…貴様だけは許せん。ここで引導を渡してやる』
抑揚の無い視線で射抜くように、言葉を荒げる。
「…」
更に追撃ちをかけていきます。
フィールドエネルギーが減衰した機体が、他の機体の背に隠れようと動く所をマスターが狙い打っていく。
『貴様さえ居なければ…』
1体、2体、3体…
「…」
『貴様の…貴様の理念とは一体なんだ。大事を前に小事を優先する…それがどんな未来を呼び寄せる事になるか…』
!!駄目ですマスター!
「そんな事は関係ない」
『なんだと!?』
予測軌道を僅かに外れた。マスターの意識が敵を撃つことに傾いていっています!
『マスター!落ち着いてください。いけません』
「前にも言ったが、俺にそんなことは関係ない。生きている限り、お前たち火星の後継者を殲滅する。一人残らずだ」
軌道上に交わった敵のビーム兵器を避けるために、マスターはバーニアのバランスを絶対値を超えて変動させていく。
「俺にはお前たちが生きる未来が許せない。お前たちに未来を奪われた」
フィールドを掠めていくビームの反発を利用して迫った敵エステバリスの一撃を掻い潜り背後に回りこんで落とす。
「お前たちに希望を奪われた」
接近するエステバリスの数が更に倍に増える。横に動けば的になる。軌道修正。
「お前たちに命を奪われた」
敵エステバリスの一斉
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