第01部「始動」
第10話
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を相手に戦っていたのを忘れたか?忘れたなら思い出させてやる。忘れさせたりはしない。絶対に…
バーニアの出力を上げる。リミッターを外した反動か、加速度的にGが重くなっていく。だが、こんなもの…サレナに比べればなんとも無い。
敵艦が放った黒い光が、紫藤の船に降り注ぐ。いくつかは当たったが、大型艦の攻撃は受けていない。あれならまだまだ持つだろう。それに…
ディストーションフィールドを展開しながら小型艦に取り付く。さっきの攻撃の為か、小型艦はフィールドを張っていなかった。
手元にライフルを手繰り寄せる。瞬時に小型艦のエンジンの場所が展開される。
引き金を引く。外れることなくエンジン部に降り注ぎ、一呼吸の後。
-ゴッ-
鈍い音とオレンジの閃光が舞う。
同時に敵艦の狙いが俺に切り替わる。恐らく紫藤が俺の事を奴らに伝えたんだろう。
そうだ。俺はここにいる。オマエタチが憎み。俺が憎む。
俺は必ずオマエラを殺し尽くす。必ず報いを受けさせてやる。そう俺は言ったんだ。
覚えているな…火星の後継者共。
--
マスター…
「まずは1隻」
敵艦からいまだエステバリスは発進しない。小回りの利くエステバリスを相手に、大型船では攻撃手段が限られる。
マスターがバーニアの出力を最大に設定する。次の目標の小型艦は既にマスターへと射線を取っている。
近づくマスターに雨のように細い光が降り注ぐ。けれどそれを縫うように、スラスターを射出して避ける。フィールドを展開せずにこれは自殺行為だ。
「こんなものか…」
敵艦が接近を許した直後にフィールドを展開する。
私は、マスターの機体にフィールドを展開してそれを中和する。
『私はマスターを信頼します。たとえ、確実に避けられると確信していたとしても。とは言いません。ですが…防御フィールドから中和フィールドへの書き換えなら瞬時に行えます…私は』
「信頼している。俺はお前に何度助けられたと思っている。この機体を触っているだけだ。気にするな」
トクンッ
え?
心地の良い感覚に痺れる。いけない。今は、今はダメ。
「マスター。軍艦が左舷の敵艦を撃破しました」
言うよりも早く、マスターが次の艦に狙いを定める。
同時に大型艦からエステバリスが発進した。
軍艦から送られてきたデータから近接タイプと射撃タイプと確認。
5機を1組にした4組が迫る。マスターは速度を緩めずに真ん中に突撃する。
急加速、急制動。速度を落とさずに後ろに回りこみ。相手が反転する前に下に回りこんで数機を撃破する。
横を通過する際にフィールドを減衰させている。この辺りはまだラピスよりも私の方が効果が発揮できます。
「温い」
マスターが食いしばった口で漏らした。
何を基準にしているかは簡
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