第01部「始動」
第10話
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確かに…俺も馬鹿げた考えだと思うがな…だが、あのデータログで見せた奴の動きなら少しは時間が稼げる筈だ。
「エステバリスに通信を繋げ。映像は切られていても構わん」
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Sound only…
Open Yes or No?
カットしたデバイスに文字が浮かぶ。隠匿通信か?切るのを忘れていたな…
…Yes
『繋がったな。エステバリスのパイロット。私は艦長の紫藤少佐だ。音声のみだが黙って聞け』
「…」
何だ?俺が乗っているのはもう分かっている筈だ。こんな通信する意味が、奴には無いはずだが。
『今私たちは、上層部の意向で敵艦を突破して予定通りに護送を続けろと命令が下った』
…紫藤の声には密かな怒りを感じる。
しかし、だからこそ恐らくはこの状況から色々と想像したんだろう。そして俺に通信を求めた理由が少し分かった。
『だが我々の艦だけでは無理がある。もし出来たとしても被害が出るだろう』
ああ。なるほどな。紫藤お前は実に頭が回る。この状況下で使えるものは何でも使うなんて、アイツくらいしか俺には思いつかない。
アカツキなら他人に役を押し付けるだろうな。
『もし出来るというなら、敵艦をかく乱しろ。ただし、エネルギーの都合で艦から離れすぎるな。エネルギーフィールドの範囲が狭い』
敵の隙をつく間を作れ。だが、逃がすつもりはない…そう言いたいんだな。
いいだろう。元よりバッテリーが一番の問題だった。それが無くなるのなら…俺は俺でお前たちを利用させてもらうだけだ。
『現在のマップデータを送る。確認しろ。此方からは以上だ』
「…」
トン…ト…トン…ー
マイクを軽く叩く。
『なるほど。了解した。そちらはマイクが壊れているようだな。分かった…なら、今から貴様をテンカワと呼称する。全域に向けてそう符丁する…殉職扱いにはしないぞ』
了解した…か。
此方の返答もまた同じ内容だった。通信を切る。
『マスター…データが送られてきました。解析に入ります』
「なにか怒ってないか?」
『気のせいです。現状を考えると良いことでしたが、理解は出来ています』
だが納得はしていなさそうだな。YesかNoで考えていた頃が懐かしく感じるな。
…気の迷いか?懐かしい?俺がそんな感情…
『解析完了しました。データに細工はなし、リアルタイムでリード。データを表示します』
意識化に敵艦の配置。予想シュミレータが展開される。
ラピスと違ってパターン化されていない。いくつかの考えが頭をよぎる。
「助かる。ラムダ…いくぞ」
『畏まりましたマスター。ハッチ開きます』
バーニアを吹かせて宇宙へ出る。
狙いは敵小型艦。
『敵艦狙いを軍艦に向けました』
たかがエステバリス1機。捨て置くつもりか?だが、オマエラは1機
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