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スーパーヒーロー戦記
第45話 黒き仮面
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「ブラックサン。お前の捕獲は後回しだ。まずはこの娘の始末を優先する!」

 白面の男ダロムがそう言い光太郎を付近の建物へと投げ飛ばした。
 投げ飛ばされた光太郎は壁を突き抜けて建物内へと叩き込まれてしまった。

「さぁバラオム、さっさとその娘を始末しろ」
「分かっている」

 降り立った二人の前でバラオムは地面に叩きつけられ身動き取れないフェイトの前に立つ。そしてそのか細い首に太い腕で掴み持ち上げる。必死に外そうともがくが子供の力でどうこう出来る領域じゃない。
 寧ろ相手からは無駄な足掻きとしか捕えられない光景であった。
 そのまま徐々に首の絞まる力が強まっていく。フェイトの顔色が徐々に青ざめて行った。

「あぐっ…あ…」
「我等ゴルゴムの崇高なる目的を邪魔する者は何であれ死あるのみだ!」

 少女の腕がだらんと下がったのを確認し、そのまま彼女の首をへし折ろうと腕に力を込める。
 だが、その時、バラオムに向かい何かが突進してきた。凄まじい衝撃であった。

「ぐおぉっ!」
「何っ!」

 突然の出来事に驚く三人。その三人の前に映っていたもの、それは動けないフェイトを抱えて立っている黒い姿をした異形であった。
 全身黒い鎧で覆われその目は真っ赤になっている。

「こ、これは…これが、俺の姿…なのか?」

 光太郎は無我夢中で飛び込んだ為に分からなかったが今ならハッキリと分かる。その姿は明らかに人間のそれじゃない。

「う…うぅ…」
「君、大丈夫か?」

 ふと、抱き抱えていたフェイトが意識を戻したようだ。朦朧とする視界のままフェイトは自分を抱き抱えている者を見た。

「ラ…ライ…ダー…」
「ライダー…俺の姿がそうなのか?」

 問おうとしたが、そう呟いた後、またフェイトは気を失ってしまった。光太郎はそっとフェイトをその場に置き、三人の前に立つ。

「おぉ、ブラックサン! 真の姿になったのだな?」
「俺はブラックサンではない!」

 三人の異形を前に光太郎は構えた。力強く、また悲しみを感じさせる構えでもあった。

「俺は…俺は! 仮面ライダー! 仮面ライダーBlackだ!」
「仮面ライダーBlackだと!?」
「そうだ、俺はお前達ゴルゴムの野望を打ち砕き、人類を守る!」

 仮面ライダーブラックは叫んだ。そして空高く飛翔し、三人の異形目掛けて急降下にキックを放った。
 三人は蜘蛛の子を散らすようにその場から退散する。其処へキックが叩き込まれる。
 ブラックの足はコンクリートの地面を抉り周囲にクレーターを作った。それだけでもかなりの破壊力であった。

「あ、消えた…」

 どうやら三人の異形は逃げていったようだ。一先ず安心であった。
 そう確信し、光太郎は
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