第1章 ニルヴァーナ編
緋色の空
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ジェラールは笑顔だった・・・。
まるで、何か大切な事を思い出したかのような・・・。
「さよなら・・・エルザ・・・。」
「・・・ああ。」
そのままジェラールは護送車の中へと消えていった・・・。
もうすぐ夜が明ける時間帯まで俺達はいた。
エルザさんはどこかで1人にきりになれる場所へ行った。
そして、ウェンディは悲しそうに泣いている。
「ジェラール・・・。」
「ウェンディ・・・。」
俺も今のお前の気持ちはわかる・・・
ただ、俺の場合は何かの疑問と違和感があった。
俺達と出会ったジェラールはあいつなのかという・・・。
本当は信じられないと思うが、俺はそんな気がしていた。
「(今はそれより、ウェンディをなんとかしないとな・・・。)」
シャルルとミントも一緒に行こうと思ったが・・・
『あの子を元気づけるのは、あんたの方がいいわ。』
『私達よりもウェンディの事、知ってるし、できるでしょ?』
あいつらにそう言われた・・・。
「ウェンディ。」
俺はウェンディの隣に座る。
「何・・・お兄ちゃん・・・。」
まだ泣いてはいた。
「こんな事をいうのはどうかと思うけど・・・
あいつは、ジェラールは許されない事をしてしまったのは事実だ。」
「・・・うん。」
「でも、ジェラールが俺達を助けてくれたという事実は変わらない。
あいつは、俺達の大切な友達で仲間だ。」
「・・・そうだね。ジェラールが何をしても、私達の恩人。」
「ああ。」
「それにね・・・今はお兄ちゃんがいる・・・。」
ウェンディは俺の方を見る。
「・・・そうだな。」
「お兄ちゃんは・・・私を1人にしないでね?」
「当たり前だろ!!俺はお前の兄だからな!!!」
「・・・うん。」
しかし、ウェンディの心の中では・・・
「(やっぱり・・・妹止まりかな・・・私は・・・お兄ちゃんが好き・・・
1人の男性として・・・。あの日から・・・でも、お兄ちゃんは・・・。)」
本当はどう思っているんだろう・・・とウェンディはそう思っていた。
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