第2話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
兎にも角にも、起きなければ何も出来ない。
ベッドから立ち上がり、一夏と改めて向かい合う。
「…おはよう」
「ああ。そういやさっきメールが来てたぞ、『トモ』のケータイ」
にこやかで親しげな一夏の態度に戸惑いながらも、ケータイのメールを確認する。
メールは、こんな内容だった。
『丹下智春君、先に騙す形になったことを謝罪しておく。
改めて、僕は実は神様だったのだ!
どう、驚いた?』
文面は続き、
『君の事だから、馬鹿正直に伝えても拒絶しそうだし、強引な手を取らせてもらったよ。
後、あのアイデア、アレだけだと少し物足りないから、コッチで色々付け足しと
いたから。
詳しくは、自分で確かめてね!
PS.このメールは読み終わった時点で消えるので、文句は受け付けません!サヨーナラー!!』
腹の立つメールを読み終わったら、突然ケータイの電池が切れた。
充電しながら電源を入れてみても、あのメールは無かった。
「何だった?」
「…イカレタIS製作者からの嫌がらせ。嫌になるな、ったく」
向こうにも事情や都合があったのかもしれないが、コッチは望んだ事態とは程遠い状況にいるのだ。愚痴の一つもこぼしたくなる。
「製作者って言うと…、噂のアレか?」
「噂?」
「ど忘れしたのか?トモが適正者だって事で、専用ISを送り主不明で送りつけてきたじゃないか」
ふむ、そういう事になってるのな。
「しかし驚いたのは、そのISで事故を防いだ事だな」
「…ん?」
はて?事故を防いだ?覚えがありませぬが?
「ほら、俺のIS、【白式】が来る少し前に、二人で弾の店に飯食いに行ったじゃないか、その帰りに、ここの生徒に突っ込んでくるダンプを見て、即座に展開させて真っ向から押し返して!…まあソレが原因で謹慎言い渡されて代表生逃したんだよな、トモ」
…これは、多分神様の辻褄合わせだろう。
俺が此処にいて違和感が無いよう、調整したに違いない。
「そう、だったな。今日までだっけ、謹慎は?」
「昨日で謹慎は終わりだから、今日から復帰だな!」
また都合のいい…。
「そうか、なら着替えて行くか」
「久々にトモとクラスで一緒か。女ばっかで肩身は狭いし、『ゼロ』は素っ気なかったし、ありがたい。」
…ゼロ?正義の味方ですかな?それとも、未来を見せてくれるのかい?
「『ゼロ・グランツ』。あんまり関わりが無いから、詳しくは知らないんだが…、適性はSらしい」
何という事でしょう、原作主人公を上回る才能の持ち主が出現。これが俺の転生した結果だと言うのか。
「ま、所詮はお上が押し付けた『記号』さ。鼻で笑って評価を引っくり返せば、勝ちだ」
「…そう言う所、トモらしいな。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ