双葉時代プロローグ
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
のくせに人よりも人らしい振る舞いに、人間は苦笑すると、その両の腕を大きく広げた。
吹き抜ける海風に身を浸す様に、心地良さそうに瞳を閉じて世界を迎え入れる。
そうして、そっと口を開いた。
「一人では、多分無理だ。けどね、幸いな事にオレは一人じゃない。そうして支え、支えられ、オレは当初の目的通り、忍びの世界で最強と呼ばれる様にまでなった」
ここからが、スタート地点なんだ。
くるり、と踵を回して人間は獣へ背中を向ける。
「悠久に近い寿命を持つお前なら、この先オレがどのような道を辿るのか、文字通り長い目で見れるだろう? オレの辿り着いた先に平和がなされるのかどうか、見ていてくれないだろうか?」
『ふん……! そこまで言うのならば、お前の望む通り眺めていてやろうじゃないか。ちっぽけな人間の、その身に余る願いの果てに何が残るのかを』
――――唸る様な響きに、人間は小さく微笑んで感謝の言葉を述べた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ