第66話 断金の交わり
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めていました。
「私の仇敵である孫策の片腕となる人物が冥琳・・・・・・お前だ」
私が決意に満ちた目で冥琳に告げると、冥琳はこの言葉に凄く動揺しているようでした。
私は彼女の動揺が落ち着くの黙って待ちました。
「私は・・・・・・正宗様の敵となるの・・・・・・ですか?」
冥琳は苦悶の表情で言葉を絞り出すように言い、顔を俯かせました。
「将来、お前は私の敵になる予定だった・・・・・・」
私は敢えて予定を付け加えて言いました。
「・・・・・・予定ですか。ふふ、正宗様。何故、監視をつけて置きながら、私を殺さなかったのです。如何に、私の実家が二世三公の家柄といえど、無位無官の私などいつでも殺せたのではないですか?」
冥琳は私の言葉を聞き、少し笑うと私に質問をしてきました。
「冥琳、お前は天下に於いて指折りの才を持っている。私には夢がある。その夢を実現するには、お前の力が不可欠と思い、仮に敵に寝返る可能性があっても、私の元でその才を発揮して欲しかった」
私は自分の気持ちを素直に冥琳に告げました。
「この冥琳は果報者ですな。正宗様にそこまで私を買って下さったとは・・・・・・」
冥琳は涙を流していました。
「私はお前の言うような人物ではない。私はお前を必要としながらも疑心を抱いていた。お前が私に本心から士官を申し出くれなければ、私は疑心を拭うことはできなかった愚かな人間だ・・・・・・」
私は冥琳から目を反らし、自嘲するように言いました。
「ですが、正宗様は応えてくださいました。仮に、私の将来がどのようなものだろうと、こうしてあなたに士官したことは天意だと思います。正宗様、面をお上げください」
私が顔を上げると冥琳は涙を流し微笑んでいました。
「私のことを許してくれるのか?」
「許すも何もございません。今日、あなたにこの場に呼ばれたとき、私の気持ちは決まっておりました。あなた様からどのようなことを聞こうともお支えするつもりでした」
冥琳は涙を拭きながら、真剣な表情で私に言いました。
「ありがとう」
「正宗様、ここまでお話くだったのであれば、あなた様の夢をお聞かせくださいませんか?」
冥琳は私が先ほど言った話の中で語った私の夢について聞いてきました。
「わかった。長い話になるが聞いてくれるか?」
「はい、喜んでお聞きいたします」
それから明け方まで私は冥琳に麗羽と揚羽にも話した内容とこれからの計画を話しました。
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