第66話 断金の交わり
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私は麗羽達と密談をした後、体を休めるために少し眠ることにしました。
床に就くと強い睡魔に襲われ深い眠りにつきました。
私は自分の名前を呼ぶ女性の声で目が覚めました。
起き抜けの私はまだ頭の中が完全に覚醒していないため、その声の主がわかりませんでした。
「誰だ?」
私は部屋を見渡し、人影がないことを確認すると戸口に向かって言いました。
「正宗様、冥琳にございます。お召しのお約束により参上しました」
「冥琳か・・・・・・。もうそんな時間なのだな。入ってくれ」
「はっ!」
部屋の戸を開け、冥琳が入ってきました。
冥琳は私の元に来るとかしづきました。
「冥琳、わざわざ来てもらってすまない。ここで話すのもなんだ・・・・・・。中庭に連れて行ってくれないか」
「正宗様、まだお体が優れないのではありませんか?ご無理をなされないでください」
冥琳は私を労るように言いました。
「いや、外の空気を吸いながら話したい。済まないが、肩を貸してくれるか?」
私は冥琳に重い体を起こしながら、言いました。
冥琳はそれ以上何も言わず、私に肩を貸し立たせ、中庭に移動しました。
中庭に人気はなく、静寂のみが支配していました。
空を見上げると満点の月が私と冥琳を照らしていました。
冥琳は私を椅子に座らせ、対面の椅子に腰を掛けました。
「さて、何から話すとしようか・・・・・・。冥琳、何が聞きたい?」
私は冥琳に質問を促すように言いました。
「正宗様、あなたの話したいことをお話ください」
冥琳はそれだけいうと優しく微笑みました。
「そうか・・・・・・」
私は冥琳の言葉を聞き、少し考えて口を開きました。
「私は・・・冥琳、お前を監視させていた」
冥琳はただ黙って聞いていました。
「その理由を話す前に、話さなければいけないことがある。私はこの世界の未来を知っている。それも、近い未来だけでなく、これから千年以上の未来も」
黙って聞いていた冥琳の瞳が一瞬驚きを表しましたが、直ぐに冷静さを取り戻していました。
「冥琳、私のこの言葉を信じるか?」
私は真剣な表情で、彼女を見つめました。
「今のあなた様が私に嘘をつく道理がございませんでしょう。先をお続けください」
冥琳は私の瞳を真っ直ぐに見て言いました。
「私は本来の歴史ならば揚州牧となり、孫策という人物と争った結果、戦に敗れて逃亡先で病に倒れ死ぬ。牧とは近い将来、今上皇帝により創設される官職で刺史に徴税権と軍事権を付加したもの」
私は体の疲れから話すのを止め、少し間を置いて話を再開しました。
その間、ただ黙って私を見つ
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