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不可能男との約束
再開の語り合い
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さか、こんな時に、こんな場所で言われることになるだなど誰が思うか。
思考しようとすると、真っ先に言われた過去の内容を思い出してしまい、表情を歪めてしまう。
直後

〈決着の時だ、マクベス。君を守る全ての加護は今、失われた〉

シェイクスピアによる文字列の波が、こちらの連撃を打ち砕いた。
余りにも呆気ない快音と同時にミチザネが扱っていた表示枠も破片となって飛び散り、ミチザネがわたわたしているが気にすることなど出来ない。
視線を彼女から離すことができない。正面にいる少女の笑みを

「やっとだ……ようやく見つけたよ。思い出してくれたかいNO.13。君はあの頃も───」

表情は一転し……ではなく、ぐちゃぐちゃになった。
笑いと怒りと悲しみとかが、混ざり、溶け合い、最終的にどれを浮かべればいいのか解らないというような表情になり

「君は───君は僕を傷つけた!」

これが最大の攻撃だと勝手に頭が思考を作る。
でも、そうだろうとも思う。
前や後ろからマクベスだったものや、マクベス夫人やパーナムの軍勢が迫ってきているが、そんなものはこの叫びに比べたら力にはなりはしないと。

「セシルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

「もういちどいくのーー」

「ちょ、ちょっと待ったぁ! じ、自分なんかに荷重をかけても、その、ホラ! そこまで、重くないですからダメージになんかならないですよーーーー!!」

ダッドリーが狙いをつけたのを察知する。
それを恐らく、冷静に判断し、彼女に何かを言おうとしたのか、口が勝手に動こうとして、それを無理矢理飲み込んで違う言葉を放つ。
ここに来る直前に伝えておいて正解だと思い

「"品川"! やってくれ!」

《衝撃を己の左半身へと放ち躱す》

右腕に絡んでいたマクベスであったもの事、無理矢理振り払い、吹き飛んでいく。
衝撃に追って左半身が軋み、肩の関節や爪などが割れた感じがしたが

『Jud.!!』

返答が来てくれたことへの安心が買った。

『再加速して、左へと旋回します───以上!』

言葉通りに武蔵は動いた。
強烈な横Gが身を抑え、全員が倒れそうになる体勢を必死に、自力で支える。
品川を先頭とし、重力加速を用いてのかなり急な左へのターンをすることによって英国との距離を無理に詰め、旋回を予定よりも早い動作でする。
チェスや将棋などを引っ繰り返すようなものだ。

「つまり、敵に決着の時を与えない───勝負の無効化だ!」





「やってくれたなYou! こんな強引な手段を……!」

ジョンソンはドーピングによって得れた感覚強化で、緩衝術式を使っても、軋んでいる武蔵の音を聞きながら、高速思考をする。
武蔵は今も無事とは言い難いが動いている。

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