再開の語り合い
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『無視しますけど、そうなると、ネシンバラ君かトーリ君……どっちかを立てるって事ですよねぇ……』
『フフフ、皆、避けそうな話題だけど、でも、私は言っちゃう! うちの愚弟と眼鏡! どっちが不要でしょうか! はい!』
『そんな……全裸とおかしな軍師じゃあ比べる事ができませんですのよ!?』
『既に比べてるじゃねーか!!』
『そうだよ皆! 葵君もネシンバラ君も、同じクラスメイトだけど人としては違う人なんだから比べることなんてしてはいけないよ!』
『そうだとも……我々は全員、違うからこそ協力して力を発揮することができるのだ。なのに、人を比べるなどということはしてはいけないぞ!』
『はい……』
落ち着け僕……!
一瞬、負けてこいつらに汚名を着せてもいいんじゃないかと思ったが、結局、負けても汚名を着るのは自分だけになるので、あんまり意味がないし、既に汚名ばかりのメンバーだから一つや二つ増えても動じないキチガイ共だ───やるなら豪快にだ。
そう納得し、動こうとするネシンバラに待ったをするかのように、シェイクスピアが声を上げる。
「ああ……一つだけ。純粋に聞いておきたいことがあったんだ」
これ以上、何を言うつもりだ。
「三征西班牙には、密かに、前総長兼生徒会長であるカルロス一世が残した、小等部以前の子供を育てる機密教会施設があったんだ。エナレスの特待部にも、繋がり、内部では運動部、文化部、教譜部に……まぁ、要はこれからの三征西班牙の衰退と経済危機に備えた人材作成所だったんだろうね」
落ち着けと思う。
冷静にならないと、とも思う。
「でも、十三年前にその施設は内部崩壊が起きてね。原因としては過酷な修練をさせている事によって香華が起きたということにされているけど───実は、一部の子供たちが仕組んだことでね」
「……その子供たちは?」
「Tes.逃げ出しらしいけど、ほとんどは捕まり、悪魔憑きとかもっともらしい事を言われて処刑されたよ。逃げ延びた子供たちは、他国に移住したりして生き延びた」
その問題の施設の名が
「第十三無津乞令教導院───知っているかい? いや」
知っているだろう? と今まで表情を全く動かしていなかった少女は、ここで初めて動かした。
口を歪めることによって。
「ネシンバラ・トゥーサン。姓のネシンバラの方は松平四天王の榊原康政から木を取った姓らしいけど、名のほうのトゥーサンは極東所属を示すために感じが当てられているよね」
その漢字は
「───十三」
「───」
ぞぞっと嫌な予感が背中から頭まで這い寄ってくる感じがする。
あんまり思い出そうともしない過去の事を、ま
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