再開の語り合い
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活動が忙しくなったからとか、インスピレーションが湧かないからとか色々言えることは出来る。
だが、どうしてか。どれも、彼女が納得するような理由には思えなかったし、何よりも、どう言っても言い訳にしか聞こえないな、と自覚できたからである。
「どうして?」
こちらを攻めているのか、と思うが、何故そこまで接点もない、たかが、一度の受賞者に大物である彼女が責める理由があるというのだろうか。
背後にパーナムの軍勢を置き、無表情でこちらに語りかけてくる彼女は
「"作品世界の設定が薄い"、"最貧に矛盾がある・問題点がある"───僕の作業と、準備設定を知らずにいい、指摘しながら、その具体的な理由も箇所も言わない。まるで、こちらからの成否の追及を避けるように批評を行っている」
そして
「"この人のやり方は間違っている"と───僕の生き方を全否定した……僕が生きるために必要な、やり方を」
待て、と思う。
おかしいだろ、とも思う。
ここで、どうして、批評論になる。別に関係ないだろう。そんな事は、僕じゃなくても似たようなことを書いている人はいるはずなんだから。
「まぁ、別に君が僕の本にどう思うかなんて君の自由だ。批評云々もそうだけど、どんな物を書いても、絶対にこれは違う、あれは違う。こうした方がいい。ああした方がいいという意見は必ず出るものだ。人間の感性は人一人違うものなんだから、出る答えも千差万別。一つの本に、読んでくれた人達全ての答えは違うに決まっている。僕が書いた一行を何人かに見せたら、絶対に感想がばらばらな答えは返ってくる。だから、僕は別に君の批評についてどうこう言うつもりはない───でも、君は己の批評も正解の一つにすぎないとは思っていないようだけど」
まぁ、それも僕には関係ないことだ。
でも、だからこそ
「僕は君に対してこう言いたいんだよ」
君の文は
「僕には届かない」
〈おお、マクベス。マクベスよ。遂に、覚悟を決める時が来たのだ!〉
……くっ!
揺らしに来たのか、と今の状況を試みて思った。
さっきの批評論については罠だ。それを用いることによって、マクベスの敵わぬと知って、尚覚悟を決めて討ち死にするマクベスと同化させたのだ。そうする事によって、自分を彼女が演じる舞台に、更に深いところに巻き込まれたのだ。
だが、ここで終えるわけにはいかない。
ここで負けるわけにはいかないんだ……!
『ここで、眼鏡が負けたらどうなるんだ、テメェら』
『とりあえず、バラやんに呪いがかかって、総長に命の危険が生まれるよね?』
『え!? や、やっべぇ! 俺、何時、ネシンバラのヤンデレフラグなんか立てちまったんだろ……ちょっと、ロード! ロードさせて!』
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