第2章 真の貴族
第21話 ヴァルプルギスの夜
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モンモランシーの答えも、俺の考えと一致しているな。
但し、意見が一致したトコロで、それがどうしたと言う状況でも有るのですが。
「なぁ、タバサ。この国の魔法では、何らかの方法で姿形を偽る方法は有るか?
一度魔法を施しさえしたら、後には、魔法を使用せずとも、その変装を維持出来る類の魔法が」
一応、一番可能性の高い仮説に必要な情報をタバサに聞く。
この状況は、何の意図が有るのかは判らないけど、俺の姿形を偽って、ルイズのダンスパートナーを務めている魔法使いが居ると言う事だと思いますから。
その程度の事でイチイチ目くじらを立てていても意味がないですし、才人とキュルケが、ホールの真ん中で未だに踊っている状況ですから、それも仕方がない事だと思うのですけどね。
もっとも、才人の感じは必死のパッチと言う雰囲気なのですが。あれは、キュルケの足を踏まない事に汲々としていて、とてもではないですけど、周りの雰囲気や、ダンス自体を楽しんでいると言う雰囲気では有りません。
あの才人くんは色々な意味で、お約束を忘れない漢で有る事だけは確かですか。
それに、俺ならば、ルイズの事をゼロのルイズなどと揶揄する事もないので、彼女との関係も良好。才人との仲も良い。
そして、何故かダンスホールの中心に背を向けるばかりで、姿を偽ってルイズと踊っていたとしても発見される可能性は低い。
まぁ、ルイズにも隠れファンのような人間が居たと言う事だと思いますけどね。この事自体は悪い事だとは思えないのですが。
「存在する。水と風のスクエア・スペル。フェイスチェンジと言う魔法。但し、この魔法学院には、その魔法を行使可能なメイジは存在しない」
タバサが普段通りの口調でそう答えた。
但し、少し緊張しているかの様な気配が霊道を通じて伝わって来る。
それに、魔法は存在するけど、この学院にその魔法の使い手はいない……ですか。
これは少し妙な話ですか。可能性としてはふたつ。外部から、何者かが入り込んだと言う事なのか、それとも、元々、公称よりも高い能力を持った魔法使いが、わざわざ低い目に自らの能力を偽っているのか。
いや、どちらにしても、この状況は悪意より発生した事件の可能性も有りますか。
何故ならば、
「もし、外部から潜り込んだ人間が居たとするのなら、これは危険な兆候の可能性は有るな」
確か、ルイズはこの国の公爵家の姫君で、この世界は封建制度が続く中世ヨーロッパに似た世界。御世辞にも、治安の良い時代では有りません。
人質を取って身代金を要求する、などと言う事は結構、行われて来たはずですから。
但し、あれは戦争の時に、相手の騎士を生け捕りにする事の方が多かったとは思うのですが。
女性を
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