第2章 真の貴族
第21話 ヴァルプルギスの夜
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地球世界にも有った事は知っていたのですが、自らがそう言う時代に引き込まれるとは思いもしませんでしたよ。
もっとも、俺が読める書物と言うのは、現状では和漢によって綴られた書物に限られるので、タバサが読んでいる本を覗き込んでも俺には読めない文章が書き連ねられているだけで、其処には何の意味も見出す事など出来ないのですが。
それにしても、この娘は、かなりの美少女には違いないな。
確か、黒のパーティ用のドレスとキュルケは表現しましたけど、これは所謂イブニングドレスと言う女性の正装に当たる服装だと思います。おそらくグレープ織りとか言う種類の代物と違うのかな。それも、多分、材質は絹ではないかと思います、このドレスは。そして、胸には青玉の首飾り。尚、これは水の乙女のお家でも有ります。更に、緑玉と銀で出来た腕輪が右手首を飾る。これは、当然、森の乙女のお家でも有りますね。
そして、彼女から漂うのも、ほのかな薔薇の香り。
しかし、この娘を攫って……いや、攫わなくとも、この娘を飾っている宝石をひとつ奪い去るだけでも、かなりの金額で売れる事だけは確かです。少なくとも、絹自体が非常に珍しい世界みたいですし、俺が送った宝石類は、かなりの大粒の天然石で、ついでにノームが意匠を凝らした代物でも有りますから。
もっとも、この娘の良い点は、どう考えても見た目だけではない事は確かです。見た目的にはルイズの方が上だと言う意見の方が多いですし、モンモランシーも悪くは無かった。キュルケの場合は、俺はそうでもないけど、周りの評価的には凄く高い。こんな中に埋もれて仕舞うと、どうしてもかすんで仕舞うレベルの美少女では有ります。
この娘の中で一番輝いている点は、その頭の良さではないのでしょうか。判断が非常に速いですし、更に的確。俺の言う抽象的な言葉を即座に理解してくれる。
後は、彼女の実際の戦闘時の能力の把握が細かく出来たら良いだけなのですが。
もっとも、彼女が直接戦闘を行う事など、あまり考えられない事ですか。
何故ならば、俺は前衛型の人間。彼女は魔法使い。これならば、自ずと役割分担が出来上がって来るものですよ。
ただ、俺の事を対等の人間として扱ってくれるのは有り難いのですが、妙に頑固なトコロが有る事だけが玉にキズですか。
例えば、俺に使用人としての仕事を命じるとか、前回の不死鳥の事件も俺に全部押し付けたら、自分はかなり楽が出来たトコロでしたのに、そんな事はしなかった。
おそらく、それは甘えに繋がると思ったから、やらなかったのでしょうけどね。
相棒とはそう言うモノです。少なくとも、どちらかが一方に頼り切る関係では有りませんから。
そうあれこれと考えながら、少しぼぉっとタバサを見つめる……と
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