萌芽時代・発覚編<後編>
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「どうも勘違いされてから面倒くさがって直さなかったのが悪いんだけど……。戦場に立つ様になってからはそれがますます顕著になっちゃってさ」
ほんとにもう、何でこうなっちゃったのやら。
昔から男の子に間違われてはいたんだけど、どうも間違う段階をすっ飛ばして「男」だと周囲に認識されちゃっているみたいなのである。
そんなに女の子らしくないのかね、自分。
「周囲にそれとなく水を差してみても、凛々しいとか勇ましいとか猛々しいとか言われるばかりなんだもん。一人称を試しにオレに変えてみたけど、全然違和感ないし」
寧ろ、柱間様素敵! と叫んでくれる女の子の数が多くなっちゃった程だ。
男にはどこまでも付いていきますぜ、兄貴! みたいな感じで慕われるし。
自分、ようやく十歳過ぎたところなのになぁ。
「――と、言う訳でおねーちゃん開き直りました。ぶっちゃけ、男に間違われるなんて些細な問題だし、人面フラグに比べれば」
「じ、人面ふらぐ? な、なんなのですか、それは」
「はっはっは。これからはオレが誰であろうとか関係ないわ。つーかもう、やってられっか! 何が何でも人面フラグだけは回避してやる!!」
「あ、姉者! お気を確かに!!」
もう「自分=某・忍者漫画世界の千手柱間」の公式が確定しちゃっているのだ。
叫ばなきゃやってらんねぇよ、こんちくしょう!
――幸いにして、といっていいのか。
「柱間」の天敵であった万華鏡とかいう綺羅綺羅してそうな目を持つ一族の兄弟には、まだ出会ってない。
彼らに出会わずにいられれば、そんでもって兄の方に目をつけられなければ、最終的なフラグ回避だって可能だろう……多分だけど。
「為せば成る! 為さねば成らぬ何事も! 頑張れば何とかなるさ、多分きっと!」
「姉者! じゃなかった兄上! 落ち着いて下され!!」
昇る朝日に向かって思い切り叫ぶ。
もうこの際、“柱間”がどんな人間だったとかどーでもいいわ。人面フラグさえ回避出来れば!
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