壱ノ巻
文の山
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来てしまっていた。
ぐるりと周りを見渡したとき、目の端に、ちらりと赤いものが映った。
「…」
血が上っていた頭が一気に冷え、冷や汗がどっと出る。
何、今の。
あたしはもう一度、首をめぐらせた。
赤い、真っ赤な、障子。緋の墨を垂らしたかのように、障子紙一面に緋色が散っている。
それは、綺麗だと言うよりも、いっそのこと禍々しい。
あたしは、震える口元を押さえた。
なに、あれ。
あたしは、その障子にそろりと近寄る。息を詰めて、さっと一息に開け放った。
そこには、義母上と義姉上が、血に塗れて横たわっていた。
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