暁 〜小説投稿サイト〜
戦国御伽草子
壱ノ巻
文の山

[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
来てしまっていた。



ぐるりと周りを見渡したとき、目の端に、ちらりと赤いものが映った。



「…」



血が上っていた頭が一気に冷え、冷や汗がどっと出る。



何、今の。



あたしはもう一度、首をめぐらせた。



赤い、真っ赤な、障子。緋の墨を垂らしたかのように、障子紙一面に緋色が散っている。



それは、綺麗だと言うよりも、いっそのこと禍々しい。



あたしは、震える口元を押さえた。



なに、あれ。



あたしは、その障子にそろりと近寄る。息を詰めて、さっと一息に開け放った。



そこには、義母上と義姉上が、血に塗れて横たわっていた。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ