暁 〜小説投稿サイト〜
スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第三十話 仕組まれた引き金
[1/18]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
                  第三十話 仕組まれた引き金
「そうか、うまくいったか」
 巨大な玄室の中で一人の男が周りにいる者達の言葉を聞き満足そうに頷いていた。
「では次は洗脳だな」
「ハッ」
 周りの者達が彼の言葉に頷く。
「万全を期すようにな。よいな」
「わかりました。ではユーゼスの残したあの技術を使いましょう」
「よし。それにしてもユーゼスめ」
 男はユーゼスについて言及した。
「まさか今あの技術が使われるとは思っていなかったであろうな」
「全くです」
 部下達がそれに合わせて笑った。
「オリジナルのラオデキアに監視されていたとも知らずに。己が宇宙の支配者となるつもりだったようです」
「宇宙の支配者か」
 男はそれを聞いて笑みを浮かべた。そして周りの者に対して問うた。
「皆に聞く」
「はい」
「宇宙を統べるに相応しい者は誰か」
「陛下以外におりませぬ」
 彼等は一様にそう答えた。
「そうであろう。ではわかっているな」
「はい」
「朕の意思が。全てを統べる為に」
「全てを統べる為に」
「マーグをあの星に向かわせたのだ。そしてあの女も」
「あの女ことですが」
「何かあるのか」
「果たして大丈夫なのでしょうか」
「どうしてそう思うのだ?」
 男は疑問の声を呈した部下に対してそう問うた。
「いえ、あの女は生粋のバルマー星人ではありませぬ」
「それは知っている」
「だからこそです。信用できるでしょうか」
「マーグはバルマー星人だ」
 彼はそう述べた。
「ラオデキアと同じくな。それには逆らうことができまい」
「女であっても」
「女だからこそというのもある。だがそれ程心配か」
「はっ」
 否定はしなかった。
「僭越ながら」
「ふむ。そなたの考えはわかった」
 だが男はそれを退けることはなかった。見るべきものを見出したようであった。
「ならばさらにつけよう。シャピロ=キーツがいたな」
「はい」
「あの男をまた地球に送る。そしてムゲ=ゾルバトス軍もな」
「あの者達も」
「これで不安はあるまい。だがシャピロには注意しろ」
「はい」
「あの男が妙な動きをしたならば」
 男の目が剣呑に光った。
「消せ。よいな」
「わかりました」
 そして彼等はその部屋の中に沈んでいった。地球から遠く離れた場所でのことであった。

 地球では相も変わらず戦いが続いていた。ロンド=ベルはサンクトペテルブルグまであと僅かの距離にまで迫っていた。
「寒くなってきたな」
 バニングがアルビオンの格納庫でモビルスーツを前にそう呟いていた。
「そうですか?俺には丁度いいですけれど」
「御前さんは鈍感だからな」
「ヘイト、そりゃどういう意味だ」
「まあまあ」
 彼の部下達も一
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ