第三十話 仕組まれた引き金
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下さい。伊吹ニ尉」
「はい」
マヤがそれに応える。
「レーダーに反応は?」
「今のところは・・・・・・あっ」
マヤがここで声をあげた。
「反応です、市街地にです」
「また厄介なところに出て来るわね」
ミサトはそれを聞いて顔を顰めさせた。
「どうやら木原博士ってのは女にはもてないタイプみたいね」
「おいおい、どうしてそうなるんだ」
加持はそれを聞いて思わず苦笑した。
「場所を考えないからよ。そんなのはもてないわよ」
「そんなもんか」
「女はね、ルックスだけを見ないの。内面を見るんだから」
「じゃあ俺やアムロ中佐はどうなるんだ?俺はともかく中佐は」
「格好いいじゃない。優しいし」
「おやおや」
それを聞いて肩をすくめさせた。
「どうやらかなりお目が高いようで」
「少なくとも男を見る目は養ってきたつもりだから」
「ほう」
「だからわかるのよ。少なくとも木原博士は女にはもてないわ。ひょっとすると興味がないのかも」
「じゃあもう一人はどうかな」
「もう一人」
それを聞いたミサトの顔色が豹変した。
「あのアンドロイドの女の子のことかしら」
「さてね」
加持はここではとぼけてみせた。
「まあまだ謎はあるってことさ。それよりも」
「レーダーにまた反応です」
マヤがまた言った。
「今度は二つです。これは」
「何なの!?」
「八卦衆のものです。来ました!」
その言葉に呼応するかのように二体のマシンがサンクトペテルブルグの街に姿を現わした。彼等は雪の街に立っていた。
「ほう」
彼等を見たマサキは思わず喜びの声をあげた。
「今度は御前達か。八卦もいよいよ数がなくなってきたか」
「木原マサキ」
そんな彼に対して緑のマシンに乗る祗鎗が言った。
「この山のバーストンが出撃したからには今までのようにはいかんぞ」
「ほお」
だがマサキはそれを聞いても動じはしない。面白そうに呟くだけであった。
「ではどうなるというのだ」
「知れたこと」
祗鎗はまた言った。
「貴様を倒す。この山のバーストンと」
「地のディノディロスで」
茶の髪の女も言った。ロクフェルであった。
「御前達二人でか」
「そうだ」
祗鎗はマサキを睨み据えた。
「木原マサキ」
その目には強い憎しみの光が宿っている。
「貴様だけは許さん」
前に出る。だがマサキはそれを前にしてもまだ笑っていた。
「面白いことを言う」
「何!?」
「俺は誰にも許されるつもりはない。貴様の言っていることは戯言に過ぎん」
「俺の言っていることが戯言だと!?」
「そうだ」
マサキは答えた。
「違うというのなら答えてもらおうか」
「クッ」
「答えられぬか。それも当然だ」
笑ったままであった
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