第三十話 仕組まれた引き金
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利した彼がここに街を築いたのであった。理由は幾つかあった。
まずはそのスフェーデンに近かったこと。勝利を収めたとはいえいまだスフェーデンはロシアにとって脅威であった。そして港になった。ロシアにとって港とは喉から手が出る程欲しいものであるのだ。ロシアの拡張主義はこの不凍港を手に入れる為でもあったのだ。
最後に西欧の進んだ技術や文化を取り入れるに適しているとピョートル一世が考えたこと。彼はここに古いロシアの匂いのしない西欧風の都市を築こうと考えたのだ。そして自らの名を冠したのである。ここに彼の意気込みが見られた。
北極の凍てついた大地の上にこの都市は築かれた。その際夥しい犠牲者が出ている。この都市は白骨都市とさえ言われた。ロシアの歴史の暗部でもあったのだ。
そしてロマノフ朝の都となった。栄耀栄華を極める貴族達の街であった。革命の後には聖地となった。ロシアの激動の歴史と共に歩んできた街であった。
今この街で激戦がはじまろうとしていた。ロンド=ベルとティターンズ、ドレイク連合軍が対峙していた。そして別の俳優達も姿を現わそうとしていた。
「とりあえずはゼオライマーは無視していい」
ブライトは全軍にそう言い伝えた。
「無視ですか」
「そうだ」
カミーユにそう答える。
「ゼオライマーにはエヴァを向ける。いいな」
「了解」
シンジがそれに頷く。他の三人もいた。
「やってみます」
「やってみますじゃないでしょ」
アスカがそう突っ込みを入れる。
「やるのよ。あの銀色のマシンを破壊するのよ」
「けれど敵じゃなかったら」
「は!?あんたまだそんなこと言ってるの」
アスカはそれを聞いて呆れた声で返した。
「あれが敵じゃなかったら何だっていうのよ。そんなんだからあんたはなよなよしてるって言われるのよ」
「別になよなよしてるわけじゃ」
「口ごためはいいの。男がそんなの止めなさい」
「男だからってわけじゃ」
「ええい、だからそれがいけないのよ!」
アスカは遂に切れてしまった。
「とにかくゼオライマーが来たら倒す。それでいいでしょ」
「うん」
アスカに押し切られる形となった。頷くしかなかった。
「どのみちあいつは洒落にならない程危ない奴なんだから。見たでしょ」
「うん」
木原マサキの危険さはシンジもよくわかっていた。これまでの戦いでそれがわかっていた。
「どのみち放っておいたら危ないわよ。あんな冷酷で残酷な奴見たことないわ」
「アスカもああした奴は嫌いなのか」
「好きな奴を見つける方が難しいわよ」
ケーンにそう返す。
「あんな奴!あたしの手でギッタンギッタンにしてやるわよ。見てなさい!」
「このお嬢さんがここまで嫌うのも珍しいな」
「カルシウムが足りないとか」
「毎日牛乳は一リットル飲
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