第三十話 仕組まれた引き金
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「悪いの?」
「別に悪いとは思っていない。面白いと思っただけだ」
「面白いですって!?」
それを聞いて整った眉を顰めさせた。
「それどういう意味よ」
「そのままだ」
どうやらマサキはアスカのような少女を扱い慣れているようであった。アスカの噛み付きにも怯んではいない。
「こうして会えたのがな。どのみち会うことになったと思うが」
「で、ご対面して面白いってわけね」
「そうだ」
マサキは答えた。
「面白くないわけがなかろう。碇ゲンドウの遺産を今こうして見れるのだからな」
「父さんを知ってる」
「そこにいるのは碇の息子か」
今度はシンジに顔を向けてきた。
「何か?」
「ふ、面白い」
マサキはシンジの声を聞いて笑った。
「全く似ていない。似ているのは顔の輪郭だけか。どうやら受け継いだのは遺伝子だけらしい」
「それがどうかしたんですか!?」
話していると不快感を覚えた。シンジはそれに耐え切れなくなったかのように声をあげた。
「怒ったか」
「怒ってなんかいません。けれど貴方にはあまりいい感触は受けません」
「素直だな」
マサキはそう言われても全く臆してはいなかった。どうやら他人が自分をどう思っていても何とも思わない人間であるようだ。それがマサキらしいと言えばマサキらしい。
「ふむ」
「何か?」
「さっきの言葉は否定してやる」
シンジをよく見た後でこう述べた。
「純朴だな。あの男と同じだ」
「!?今何と」
「聞こえなかったのか。御前は父親に似ていると言ったのだ」
「あいつ、頭おかしいのか!?」
離れて話を聞いていた甲児が首を傾げさせた。
「何処がどう似てるんだよ」
「いや、僕は似ていると思うな」
「万丈さん」
「意外だろうけれどね。シンジ君は父親似だよ」
「嘘・・・・・・」
それを聞いて最も驚いているのはミサトとアスカであった。
「司令とシンジ君が」
「んなわけないでしょーーーが」
「と否定するのは容易いね」
万丈がそこに突っ込みを入れた。
「けれど認めるのはどうかな」
「意味深い言葉ね、万丈君」
「世の中ってのは皆そうなのさ。否定するのは容易い」
「ええ」
「けれど認めるのは・・・・・・それより難しいんだ」
メガノイドとの戦いを乗り越えた彼ならではの言葉であった。
「木原博士」
「ほう」
マサキはそれを受けて万丈に顔を向けた。
「破嵐財閥の御曹子か。暫く見ないうちに大きくなったな」
「お久し振りです、と言った方がいいかな」
「挨拶はいい。どうせ今の俺と貴様はそういう関係ではない」
「おやおや」
「それにしても貴様までいるとはな。碇の息子だけではなく」
「他にも大勢いますよ。博士、貴方の興味を引く存在が」
「そのようだな」
「そ
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