第三十話 仕組まれた引き金
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これで終わりだ、いけえっ!」
核ミサイルが放たれた。それは一直線にマサキに向かう。だがゼオライマーは何とそれを打ち消してしまった。
「な、核ミサイルまでも」
「これでわかっただろう」
マサキはミサイルを消した後でそう答えた。
「貴様等が何故俺を倒せないのかをな」
「いや、まだだ」
それでも祗鎗は諦めようとしなかった。
「まだだ、必ず貴様を倒す」
「ふ、まだわからないか」
「わかってたまるものか」
「ならばいい。俺はわからせる為に話しているのではないのだからな」
「では何故話す」
「死の宣告の為だ」
そううそぶいた。
「貴様等へのな。行くぞ」
そう言うとゼオライマーを天に昇らせた。
「苦しまずに死ね」
メイオウ攻撃を放とうとする。だがここで異変が起こった。
「む!?」
黄色い奇妙な形をしたマシンが姿を現わしたのである。ゼオライマーはそれを見て動きを止めた。
「ほう、遂に全員揃ったか」
「何だ、あれは」
だがロンド=ベルの面々にとってははじめて見るものであった。マサキ程落ち着いてはいなかった。
「八卦衆の一つか?」
「それにしちゃ随分変わった形だな、おい」
「ここにいたか、二人共」
その奇妙なマシンに乗る男が祗鎗達に声をかけてきた。塞臥であった。
「塞臥」
ロクフェルが彼の名を呼んだ。
「オムザックが復活したのね」
「如何にも」
塞臥はニヤリと笑ってそう答えた。
「ようやくな。思えば長かった」
「それは何よりだ。だが」
祗鎗の声の色はロクフェルのものとは違っていた。何故か硬かった。
「どうしてここに来た。貴様への出撃命令はまだだった筈だ」
「少し用があってな」
「俺達にか」
「そうだ。ここは一先戻ろう。よいか」
「ううむ」
祗鎗はそれを聞いて考え込んだ。そしてロクフェルに対して問うた。
「ロクフェル」
「何!?」
「御前はどう思う」
「私は」
彼女は戸惑いながらも答えた。戦闘の時の気丈さは何故か感じられなかった。
「塞臥に従う。それでいいか」
「そうか」
祗鎗もそれを聞いて納得したようであった。縦に首を振った。
「ならばいい。塞臥よ」
塞臥にも顔を向けた。
「今は貴様に従おう。それでいいな」
「ああ。では行くか」
「うむ」
こうして三機のマシンは姿を消した。後にはゼオライマーとロンド=ベルの面々だけが残った。
「さて、と」
まずはアスカが口を開いた。
「遂にこの時が来たって感じかしら。何か長いようで短かったけれど」
そしてゆっくりとエヴァを前に出す。
「覚悟はいい?木原マサキさん」
「ほう、御前は」
マサキはエヴァを見て面白そうに声をあげた。
「チルドレンの一人か。まさかこんなところで会うとはな」
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