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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第二十九話 二つの顔を持つ男
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したのだろう」
「クッ」
 沖はそれを聞いて舌打ちした。
「御前は自分の為に俺を殺した。違うのではないのか」
「・・・・・・・・・」
「答えぬか。まあいい。言葉を続けよう」
 マサキはまた言った。
「沖、御前はまだそれを捨ててはいないな」
「否定はしない」
 沖の返答はそれであった。
「そして御前に言いたい」
「何をだ?」
「鉄甲龍、バウ=ドラゴンを倒せ。これは命令だ」
「命令か」
 マサキはまた不敵に笑った。
「俺に命令するというのか。この俺に」
「それがどうした」
「御前は俺のやり方を知っている筈だ。俺は誰の指図も受けん」
「ではどうするのだ」
「好きなようにやらせてもらう」
 そう答えた。
「俺のやりたいようにな。この世界も」
「そうか」
 沖はそれ以上言うのを止めたようであった。
「ならばいい」
「いや、御前はいいとは思ってはいない」
 マサキはそれに対してそう言った。
「ついでだ。言っておくぞ、沖」
 また言葉を出す。
「俺に命令するな、俺を操ろうなどと思うな。好きなようにやらせてもらうからな」
「・・・・・・・・・」
「わかったな。俺は俺だ。木原マサキなのだ」
「そうか。ところでだ」
「どうした?」
「美久の姿が見えないが。何処へ行ったのだ?」
「フン、あの女か」
 マサキはまた嫌な笑みを浮かべた。
「あの女なら逃げて行ったぞ」
「逃げた!?」
「俺が少し言ってやっただけでな。女とは脆いものだ」
「一体何を言ったのだ」
「事実を言ったまでだ」
「事実を」
「そうだ。御前は俺の、そしてゼオライマーの道具に過ぎないとな」
「な・・・・・・」
 それを聞いてさしもの沖も絶句した。
「マサキ、御前は」
「事実を言ってやって悪いのか?」
 だがマサキは全く悪いとは思っていなかった。
「いずれわかることなのだぞ。このゼオライマーの道具だということがな。そして俺の計画の為の手駒だと。駒は駒だ」
「しかし」
「御前がそのようなことを言うとはな」
 それでもマサキは言った。
「俺を自分の野心の為に殺した御前がな。何時の間にそんなに優しくなったのだ」
「だが美久がいなければ」
「わかっている」
 マサキは焦ってはいなかった。
「人形は何時でも俺の手の中に帰って来る。安心しておけ」
「美久は人形か」
「俺にとってはな。そして」
 そして言葉を続ける。
「御前も、あの者達もな。全て俺の手の中で踊っているに過ぎん。いや、俺が踊らせてやっているのだ。俺の楽しみの為にな」
 その言葉には何の温かみもなかった。冷酷な、氷の悪魔の様な言葉であった。
「捨てておく、今はな。だがゼオライマーには乗ろう」
「何故だ」
「奴が来ているからだ」
「奴が」

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