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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇
第二十九話 二つの顔を持つ男
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部隊を借りたいとな。提督にも協力してもらいたい。そしてかわりの者をギガノスに回すことにしたい」
「一体何を為さるおつもりで」
「あれをやる」
 そう言ったハマーンの顔が邪なものに覆われた。
「コロニー落としだ。かってギレン閣下がやられたな」
「コロニー落としを」
「我々に相応しい作戦ではないか。地上にいる敵を一掃できるまたとない好機だ」
「はい」
「そして連邦への警告にもなる。我がネオ=ジオンを侮るな、とな」
「ですが一つ問題があります」
「何だ」
「それだけの作戦となるとおそらくガトー少佐やシーマ中佐の部隊だけでは足りないかと思われます」
「それはわかっている」
「では如何為されるのですか」
「マシュマーやグレミーにも行ってもらおう。総力戦を挑む」
「では私も」
「頼む。さもないと成功はしないだろう。おそらくロンド=ベルも出て来るからな」
「ですね。では」
「ギガノスへの備えだな」
「はい」
「それは私が行く」
「ハマーン様が」
 イリアはそれを聞いて思わず声をうわずらせた。
「宜しいのですか。ハマーン様御自身が」
「私とてモビルスーツのパイロットだ」
 ハマーンはその落ち着いた声に笑みを微かに入れてそう返した。
「出撃すべき時は出る。相手が誰であろうとな」
「しかし」
「ミネバ様のことか」
「怖れながら」
 イリアは頭を垂れてそう答えた。
「それについての心配はない」
「といいますと」
「ランス=ギーレンとニー=ギーレンの二人がいる。彼等なら大丈夫だ」
「ですがハマーン様」
「御前の言いたいことはわかっている」
 ハマーンの声に今度は戸惑いが混ざった。
「私とてミネバ様のもとは離れたくはない」
「では」
「だがミネバ様はいずれザビ家、いや人類を統べられるお方」
「はい」
「ではいずれ私から離れられるであろう。私は所詮その程度の存在なのだ」
 その声には自嘲も込められていた。実に複雑な声であった。
「私はミネバ様にとってかりそめの相手でしかないのだからな」
「そう思われているのですか」
「私はそれでいい」
 ハマーンはまた言った。
「ミネバ様さえ幸せになられればな。この身を喜んで捧げよう」
「そうなのですか」
「だがそれはまだ先のことだ」
 ハマーンは言葉を続けた。
「ミネバ様が人類を統べられるまではな。死ぬわけにはいかぬ」
「ミネバ様がそれを望まれている限り」
「ああ」
 ハマーンは最後にそう頷いた。そして彼等もまた彼等自身の動きに備えるのであった。

「ぬうう」
 ハマーンとはまた別の澄んだ少女の声が闇の中に響いていた。
「シ=アエンとシ=タウまで敗れたというのか」
「残念ながら」
 仮面の男葎がそれに答える。
「ゼオライマーのメイ
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