第二十九話 二つの顔を持つ男
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として光に包まれた。
「!?」
「光に」
「フフフ」
マサキはそれを見てまた笑った。やはり邪な感じのする笑みであった。
美久は姿を変えた。何とそれは人間のものではなかった。
「なっ!」
それを見た葎もロンド=ベルの面々も思わず表情を変えた。何とその美久は骨に似た外見のロボットだったのである。
「ロボット、まさか」
「いえ、有り得るわ」
リツ子がマヤにそう答えた。
「木原博士ならね。アンドロイドを作る位簡単なことよ」
「けれど何故彼女を作ったのでしょう」
「それが今からわかるのよ」
リツ子もまた腹を括っていた。
「鬼が出るか蛇が出るか」
「楽しみといえば楽しみね」
「ええ」
ミサトも同じであった。皆美久とゼオライマーに視線を集中させていた。
美久は次に変形した。蜘蛛に似た形となった。
「うっ・・・・・・」
それを見て眉を顰める者もいる。だが美久は動き続けた。
「さあ来い」
マサキはまた言った。
「そしてゼオライマーの力となるのだ」
美久はゼオライマーの中に入った。そしてその中央に連結した。するとゼオライマーの力が急激に上がった。それは他の者からもわかった。
「な・・・・・・」
まずは葎がそれに絶句した。
「まさか次元連結システムとは」
「その通りだ」
マサキは不敵に笑ったまま彼に答えた。
「美久がそうだったのだ。これには気付かなかっただろう」
「ぬうう」
「さて、余興は終わりだ」
マサキはここで話を打ち切りにかかった。
「これで決めてやる」
まずは上に次元連結砲を放った。それで衛星を破壊した。
「これでエネルギーを充填することはできないな」
「クッ・・・・・・」
「そして」
ゼオライマーはまた動いた。
「これで全てが終わる。行くぞ」
ゼオライマーはゆっくりと浮かび上がった。そして拳を合わせた。
「死ね」
それだけであった。それでメイオウ攻撃が葎に襲い掛かった。彼は光にその身を包まれた。
「この力・・・・・・」
葎はローズセラヴィーと共に光に包まれながらゼオライマーを見ていた。もうすぐ全てが終わる。だがその時になってようやく気付いたのであった。
「秋津マサトではない」
「今更何を言っている」
マサキは壊れていくローズセラヴィーと葎を見て笑っていた。
「俺は木原マサキだ」
「いや、違う」
だが葎はその言葉に対してそう返した。
「貴方は俺、いや我々の」
そして最後にこう言った。
「おとうさん・・・・・・」
消えた。葎もローズセラヴィーも光の中に消えてしまった。一瞬のことであった。
「馬鹿が」
マサキは勝ち誇りながらそう呟いていた。
「俺は御前の父なぞではない。戯れ言を」
「何て奴だ」
それを見てバー
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