第二十九話 二つの顔を持つ男
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コンの言葉に答えた。
「そしてその際貴様は我等に多くの傷を植えつけた」
「傷を」
「我等八卦衆はそれぞれ心に傷を持っている。他の者のことは詳しくは知らないが」
葎は語っていた。
「俺はこの顔だ。この女の様な顔をどれだけ憎んできたか。俺はこの顔を持って生まれたが為に苦しまなくてはならなかった。どうして女の顔を持って生まれたのか」
「それが木原マサキの為してきたこと」
リツ子はそれを聞いて絶句していた。
「色々と頭のおかしなのには会ってきたけれど」
「どうやら最低の奴だったみたいね」
「ええ」
ミサトとそう話をした。話をしながらゼオライマーとローズセラヴィーから目を離さない。葎はまだ言っていた。
「木原マサキ、貴様により俺は苦しめられてきた。俺は貴様が憎い」
また言った。
「心の奥底から憎い。貴様を殺す為に俺は今まで生きてきたのだ」
「僕を」
「そうだ」
声が憎しみの血の色に滲んできた。
「貴様の為に俺は憎しみを持って生きてきた。今その憎しみを消すのだ!」
そう言うとローズセラヴィーを動かした。
「ルナフラッシュ!」
まずは両手の指先を集約させた。そしてそれで攻撃を仕掛ける。
「うわっ!」
それに揺れるマサト。だが葎はさらに攻撃を続ける。
「これで終わりではないぞ!」
身構えた。そして叫ぶ。
「チャージ!」
巨大な砲を出した。それでゼオライマーを狙う。光を放った。
「これでどうだっ、Jカイザー!」
それでゼオライマーを完全に破壊しようとする。そしてそれがゼオライマーを包む。
「うわあああっ!」
マサトは光の中でさらに打ち据えられた。だがそれでもゼオライマーは動いていた。そしてマサトも生きていた。だが彼はこの時にはもう彼ではなくなっていた。
「ククククク・・・・・・」
「!?」
葎だけではなかった。他の者もその声を聞いて動きを止めた。
「何っ、まさか」
「そのまさかだ」
声に邪気が篭っていた。顔を上げるマサトは既にマサトではなくなっていた。
「ククク、それが貴様の最大の攻撃か」
「何っ」
「所詮は女の顔を持つことにすら耐えられない弱き者。俺の手の中で踊るだけだ」
「貴様まさか」
「そう、そのまさかだ」
マサトは完全に顔を上げた。そして葎に顔を向けた。
「貴様が探していた木原マサキはここにいるぞ」
「おのれ」
葎はそれを聞いてその整った顔を憎悪で歪ませた。
「遂に出て来たか。だがそれもここまでだ」
「ここまで?」
「そうだ」
マサキは言った。
「貴様に勝利は有り得ん。まずはそれを言っておこう」
「ほざけ、今の状況でそれが言えるというのか」
「言えるとも」
しかしマサキの態度は変わらなかった。
「今それを見せてやる。次元
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