第二十八話 同床異夢
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ようだが。なら一体どういうことなのだ」
「それは」
「破壊するのはもう少し様子を見てからにして欲しい。冬月司令にも私からそう言っておこう」
「そうですか」
「破壊するにしろそれからでも遅くはないだろう。だが気をつけてくれ」
「何をでしょうか」
「ゼオライマーの力だ」
司令はブライトに対してそう答えた。
「あの力については私よりも君達の方がよく知っていると思う」
「はい」
その通りであった。二機のマシンを一瞬で葬り去ったあの力を見て戦慄を覚えない者はいなかった程であった。
「くれぐれも気をつけて欲しい。君達でもあのマシンの相手をするのは困難かも知れないのだ」
「ですね」
ブライトは表情を消してそに頷いた。ユリカも真摯な顔になっていた。
「あの力を使えば世界を灰燼に帰すことも可能でしょう」
「うむ」
「それは防がなければなりませんが。ですが覚悟は必要です」
「そういうことだ。だが今は気をつけるだけでいい」
「はい」
「そうなった時のことも考えていてくれ。今言えるのはそれだけだ」
「わかりました」
ブライトは敬礼した。それを合図とするかのように会談は終わった。ミスマル司令は最後まで娘との別れを名残惜しそうにしていたがそれでも別れる時が来たのだ。そしてそれに従わざるを得なかった。
戦士達の戦いは続く。彼等には休息はなく次の戦場が待っていた。彼等はそこに向かう。それは何の為か。平和の為であった。
第二十八話 完
2005・6・23
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