第二十七話 オデッサの戦い
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・・・・・・・」
アレンとフェイはそんな彼女を見て心の中で思った。それはショウと似たようなことであった。
「アレン、フェイ」
彼女は二人にも声をかけてきた。
「行くよ。しゃくだけれどね」
「あ、ああ」
ジェリルを呼びに来た筈が逆に引っ張られる形となった。彼等はこうして戦場を離脱していった。
「とりあえずは前半戦終了ってところだな」
ショウはグランガランに帰投した後でそう呟いた。
「まだまだ戦いは続くけれどな」
「ショウ」
彼にニーが声をかけてきた。
「ニー」
「ジェリル=クチビと会ったそうだな」
「ああ」
彼はそれに答えた。
「あのオーラ、さらに増幅していた」
「そうか」
「あのままだと何かが起こる。それが何かまではわからないがな」
「その通りです」
シーラがそれに答えた。
「シーラ様」
「あの邪悪なオーラはこれからも増幅していくでしょう」
「はい」
「今はそれが彼女の中に収まっているからいいです。しかしそれが収まりきれなくなると」
「どうなるのですか!?」
二人はそれに問うた。
「彼女は恐ろしい力を手に入れることになるでしょう。ですがそれと同時に破滅します」
「破滅」
「はい。人はその手に余る力を持ったならばそれに滅ぼされます」
「その力に」
「そうです。それは彼女にも言えます。そして」
「俺達にも」
「はい」
最後にそう頷いた。そして彼等は休息に入った。次の戦いに備える為に。
それはティターンズ及びドレイク軍も一緒であった。彼等は後方の基地に集結しそこで戦力の回復に務めていた。
その中にはアレン達もいた。彼とフェイはそれぞれのレプラカーンの前で座って食事を摂っていた。黒パンにソーセージであった。
「あまり美味くはねえな」
「ああ」
二人はそう言い合っていた。
「固いパンだ」
「ソーセージもな。幾ら何でももう少しいい肉を使えってんだ。何だこの肉は」
「そのソーセージが気に入らないみたいだな」
「中国のやつを食べ慣れていたんでな」
フェイは笑ってそう答えた。
「中国のソーセージはな、ちょっと違うんだ」
「そうらしいな、ハムもそうだと聞いているが」
「ああ。しかしそれでもこのソーセージは大概なものだぜ」
「まあ食えるだけましだけれどな」
「だな」
ここでアレンは話を変えてきた。
「なあフェイ」
「何だ」
「御前さっきのあれをどう思う」
「ジェリルのことか」
「そうだ。あいつのオーラ、戦う度に増幅しているな」
「それだけじゃねえ。何か禍々しくなってきている。それはショウの奴もわかっていたみてえだな」
「そうだな。俺もあれは妙だと思った」
「俺もだ」
それに関して二人は同じ意見であった。
「あのままオーラが増幅
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