第二十七話 オデッサの戦い
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だけがな。味方を見捨てて」
「それには我等も」
「その心配はない」
だがドレイクはそれを安じさせるようにして言った。
「既に我等の進むべき道は見つけてある」
「左様でしたか」
「ビショット殿とショットに伝えよ」
彼は言った。
「北欧で落ち合うべし、とな」
「北欧ですか」
「そうだ。何かあればそこで力を蓄える」
「そしてそこを足掛かりに地上を」
「そういうことになるだろうな。それでよいな」
「はっ」
「だがこれだけは覚えておけ」
「何をでしょうか」
家臣はドレイクに顔を向けてきた。
「我等はバイストン=ウェルの人間だ」
ドレイクの言葉は重みを増してきていた。
「地上では異邦人に過ぎない。それは肝に命じておけ」
「は、はい」
それが一体どういう意味かわからなかったがそれに頷いた。
「わかりました」
「うむ」
彼がわかっていないのは見破っていたがとりあえずはそれでよしとした。そして今度は戦闘の指示を下した。
「オーラバトラー隊に伝えよ」
「はい」
「撤退せよとな。聖戦士達を後詰にする」
「わかりました」
こうして彼等も撤退に入った。彼等も戦場から去っていった。
「逃げるか」
「おいトッド」
アレンがトッドに声をかけてきた。
「勝負はお預けだな。次会う時を楽しみにしてるぜ」
「ヘッ、二度と会いたくはねえな」
トッドは減らず口でそれに応える。
「あんたの顔を見るのも声を聞くのももううんざりだからな」
「有り難いね、そこまで気にかけてくれるとは。だが今はここまでだ」
「アレンだんよ」
トッドは退いていくアレンにまた声をかけてきた。
「何だ」
「俺はあんたにだけは負けねえからな。それだけは忘れるな」
「生きていたらな」
アレンは不敵な笑いでそう返した。そして退いていく。そこにはフェイがいた。
「ジェリルは何処だ?」
フェイはアレンにそう問うてきた。
「そこらにいないか」
「見当たらないぞ、一体何処に行ったのか」
「あいつのことだ、まだショウ=ザマとやりあっているのかもな」
「有り得るな。命令を聞いているのか」
「あいつにはそんなこと言っても無駄だぜ」
「わかってるさ。だが連れて行かないと後で面倒なことになる」
「ああ」
二人はジェリルを探した。アレンの予想通り彼はまだショウと戦っていた。
「あっははははははははははははは!」
奇怪な笑い声を出しながら剣を振るう。ただショウの命をそれで断ち切らんとしていた。
「クッ、何てオーラだ」
「ショウ、大丈夫!?」
チャムが必死にそれに応戦するショウに心配そうに声をかけた。
「何か物凄い邪悪なオーラを感じるよ」
「これが今のジェリルのオーラか。いや、違う」
ショウもまた彼女のオーラを
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