第二十六話 天の光、双子の邂逅
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第二十六話 天の光、双子の邂逅
幽羅帝の命でアルマアタに向かったシ=アエンとシ=タウであったがそこで二人が目にしたのは廃墟と化した自分達の基地であった。
「これは」
既に誰もいなかった。廃墟だけが拡がっていた。
「火も水も使っていない。やはり」
「そうね」
シ=アエンは妹の言葉に頷いた。
「あの男ね。間違いないわ」
「すぐに仇を」
「それはできないわ」
だが姉は妹をそう言って制止した。
「何故」
「今我々はゼオライマーを倒さなくてはならない」
そしてこう語った。
「その任務の方が先よ」
「その通り」
それに答えるかのように二人の前に幽羅帝が姿を現わした。ホノグラフィーであった。
「帝」
二人はそれを受けて跪いた。
「よい。それよりもわかっていますね」
「はい」
二人は答えた。
「すぐにゼオライマーを追いなさい。そして倒すのです」
「わかりました」
「木原マサキを必ず殺すように。よいですね」
「はっ」
「それでは行きなさい。吉報を待っていますよ」
そう言って姿を消した。後にはシ=アエンとシ=タウだけが残った。
「行くわよ」
「ええ」
二人はすぐにその場を後にした。そして戦いに赴くのであった。
ロンド=ベルは一路オデッサに向かっていた。途中カスピ海北岸にやってきた。
ここは中央アジアにある世界最大の湖である。あまりもの大きさに海とまで呼ばれている。
その水は独特で塩気すらある。これをもって海と呼ばれる一面もあった。
今彼等はその北岸を移動していた。ふとユリカが言った。
「ねえねえ、ここで海水浴できたら気持ちいいと思わない?」
「えっ、海水浴」
それを聞いたナデシコのクルーが皆驚きの声をあげた。
「ええ。最近戦いばっかりだったじゃない」
「確かに」
「お肌も荒れちゃったわねえ」
メグミとハルカがそれに合わせて言う。
「そういった疲れを癒す為に。どう?」
「アキトさんと一緒にですか」
「もっちろん」
ルリにも胸を張って答える。
「この時の為におニューの水着用意してきたんだから」
「そこまでですか」
「そうよ。ピンクのビキニ。見てみる?」
「いえ、いいです」
ルリはそれをきっぱりと断った。
「何かありそうですし」
「えっ、何が?」
「ただそんな気がするだけですけど」
前もってそう断ったうえで言う。
「予感がします。誰か来ます」
「誰かしら」
「美形のお兄さんだったらいいわね」
「それはないわよ」
「どうかしら。わからないわよ」
ハルカはメグミにそう言って妖艶に笑った。
「すっごい男前の貴公子が出たりして」
「だといいけれど」
「何かうちの部隊って二枚目揃いでも一癖
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