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少女1人>リリカルマジカル
第二話 幼児期A
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 あ、確かに言っていたね。母さんは俺たちにすごく優しいけど、躾とかはきっちりやる人だからな。ちなみに俺も妹もそれを苦に感じたことはない。それだけ母さんに大切にされていることがわかるし、俺たちのためだという気持ちが伝わってくるからだ。

 俺は妹に注意された通り、冷蔵庫の扉を閉める。それによくできました、と妹によしよしと頭を撫でられた。母さんは俺たちがちゃんとできたら、よく頭を撫でたりしていたからな。母さんの真似をしているのだろう。しかし、なんか恥ずい。俺、精神年齢的には20代後半だし、お兄ちゃんなんだけどな…。


「そう思ったので即行動。受けてみろ、俺の撫でボ!」
「わわわっ! お兄ちゃん、なんで私なでられているの!?」
「かわいいから。あとは発達上仕方ないとはいえ、お兄ちゃんよりも若干背の高い妹の身長よ縮め、という私怨」
「あ、わかった! これが前にお兄ちゃんが言ってた、『理不尽』っていうものなんだね! って頭がたんぽぽになってるー!!」

 あははは、確かに髪色も相まって、たんぽぽみたいになっている。ぐりんぐりん、と勢いよく撫で回したからだろう。見たか、これぞ俺の必殺技『撫でボ(撫でて頭をボンバーヘアーにする)』! 妹のサラサラヘアーと、少し癖っ毛のある前髪が見事に縦横無尽にコラボレーション。妹の頭を撫でるのに、ちょっと背伸びをしたのは忘れる。

 その後、妹に涙目で頭をボンバーにされました。



「というかやばいぞ。まさか家のマヨネーズが切れていたなんて」
「マヨネーズないの?」

 撫でボ対決はとりあえず終息し、先ほどの話に戻る。温泉旅館を満喫してから帰ってきた俺たちは、家でまったりしていた。ごろごろしていたともいう。

 家のベランダから射し込んでいた太陽の光が薄まってきたため、俺はリビングの電灯をつける。そして、窓から見える夕焼け空を眺めた。そろそろ母さんが、仕事から帰ってくる時間帯だろう。

「温泉卵を食べるなら、やっぱマヨと一緒でしょ」
「お塩もおいしいよ?」
「塩味も好きだけど…、でも今日は諦めるしかないか」

 次元世界という地球とは文化も文明もかなり違うミッドだが、食材や香辛料はあまり変わらないことは素直に嬉しかった。見たことのない食材もあったが、前世でも当たり前のように食べていた物も多かったからだ。母さんの得意料理であるオムライスは特に絶品。2人でおいしいって絶賛して食べたよな。

「買い物もできないし、子どもってちょっと不便だよなー」
「子ども…」

 リビングのソファに座り、俺はつい愚痴をこぼしてしまう。子どもだから護られているし、助けられていることもたくさんあるだろう。実際に俺も子どもの特権をフル活用しているし、子ども時代を結構楽しんでいる。

 だ
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