第二十五話 燃ゆる透水、凍る鬼火
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シュウはまた笑った。
「人によっては、ですよ。あくまで」
「そんなもんですかね」
「ええ、そうです」
そのことについては一応句切りがついた。チカは話を変えた。
「それでどう考えてるんですか」
「バウ=ドラゴンのことでしょうか」
「勿論ですよ」
チカは言った。
「彼等については何もしなくていいんですか?このままですと」
「彼等については心配ありませんよ」
シュウはそれに対してそう答えた。
「彼等については、ね」
「何かよくわかりませんね」
チカはやはりまた首を傾げた。
「あんなの放っておいて大丈夫なんですかね」
「ええ、心配はいりませんよ」
シュウは何の不安もないといった顔でそう答えた。
「何もね」
「だといいですけれどね」
チカは言った。
「それじゃああの連中は無視でいいですね」
「はい」
「じゃあ後はラ=ギアスですかね」
「いえ」
だがシュウはここで首を横に振った。
「そこはまだです」
「まだですか」
「はい。運命をね、変えなくてはなりませんから」
「運命!?」
「そうです。私が未来で一度死んでこの世界もかなり変わりましたね」
「ええ」
「そしてそれにより歪を生じています」
シュウの顔が険しくなった。整っているその顔に険が浮かんだように見えた。
「それを正さなくてはならないのです」
「グランゾンを使って、ですね」
「はい」
シュウはそれに答えた。
「チカ、貴女にも働いてもらいますよ」
「やれやれ」
それを聞いて疲れたような声を出す。
「何かあたしの仕事って全然減りませんね。御主人様のファミリアになってから」
「貴女は生まれた時からそうでしょう」
シュウはそれに対して言った。
「最初から私のファミリアだったのですから」
「だからですよ」
チカは言った。
「あたしは生まれてから大忙しなんですよ。たまには休みたいですよ」
「残念ですがそれは無理でしょうね」
シュウは元の涼しげな笑みを浮かべてそう答えた。
「貴女がこの世にいる限りはね」
「やれやれ」
チカは溜息をついた。
「まあ仕方ないですね。そのかわりお金はしっかりと頂きますよ」
「いいですよ」
シュウはそれを認めた。
「では今度はダイアでどうでしょうか」
「ダイアはいいですよ」
「では何を」
「ルビーがいいですね。とびきり大きな」
「ではそう善処します」
シュウは言った。
「そのかわり働いて下さいね」
「わかってますって」
こうして二人の会話は終わった。そしてすぐに青いマシンが何処かへと飛び去った。
「秋津マサト君」
沖がマサトに語りかけていた。二人の他に美久もいる。彼等は今何かしらの研究室にいた。
そこは無数の試験管が置かれてい
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