第二十四話 ドラグーン
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れに頷く。ゴルとジンもそれを飲んだ。だがミンはそれを口にしなかった。
「やらねえのかい」
「あたしは蛇が嫌いでね」
それが答えだった。
「悪いけどあたしはいいよ」
「そうかい」
「じゃああの伊達男にでもやるか」
「そういやプラート大尉がいないな」
ジンがそれに気付いた。
「奴なら別行動だぞ」
それにグン=ジェムが答えた。
「別行動」
「うむ、奴もここには今一つ会っていないようだったのでな。あの三人組と合わせて別行動をとらせることにした」
「そうだったんだ」
「さ、寂しいのかミン」
「馬鹿言っちゃいけないよ」
ゴルにそう言葉を返す。
「あんなキザ野郎。あたしには合わないよ」
「そうだろうな」
「ミ、ミンにはもっといかつい男が似合う」
「あたしの男の趣味は五月蝿くってねえ」
彼女は得意気に語りはじめた。
「男気のあるのがいいんだよ。それもあたしに釣り合うね」
「じゃあいねえな」
ガナンはばっさりと切り捨てた。
「そんなの地球にはいねえ」
「宇宙にもな」
「ガナン、ジン」
ミンは二人を睨み据えた。
「じゃあ何かい!?あたしに魅力ないって言うのかい」
「わしはそうは思わんぞ」
「大佐」
「だがミンの相手をしたら身体がもたんだろうな」
「普通の男ならな」
「み、三日でお釈迦」
「チッ」
ミンはそれを聞いて舌打ちした。
「やわな男は嫌いなんだよ。あたしみたいな荒れ馬を乗りこなせるようないい男じゃないとね」
そう吐き捨てた。彼等がそんな話をしているその時マイヨは一人砂漠にいた。プラクティーズや正規軍の面々と行動を共にしている。グン=ジェムの言葉通りであった。
彼は手に一通の手紙を持っていた。それを読み険しい顔をしていた。
「何ということだ」
そして嘆息した。そこには月のことが書かれていた。
ギガノスは今紛糾していた。地球をそのままの形にしようというギルトールに反発する者達がいるというのだ。
「ギルトール閣下の崇高な理念を理会できない者が我がギガノスにいるとは」
それが彼には信じられなかった。彼にとってギルトールの理念は無謬のものであるからだ。
だがそれに意を唱える者達がいた。ドルチェノフ中佐等急進派の将校達だという。
「閣下の理念に従えば我がギガノスの理想は達成されるというのに」
全てを否定されたような気になった。それ程までに彼はギルトールを崇拝していたのだ。
だからこそ悩む。しかし地球にいる彼は今それに対して何もできはしない。それは嫌な程よくわかった。
「どうすればいいのだ」
しかし答えは出なかった。出る筈もなかった。だからこそ悩むのであった。
「・・・・・・・・・」
マイヨは一人悩んだ。悩まずにはいられなかった。そして時間だけが過
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