第二十二話 誇り高き戦士
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の水槽に一匹しか飼えぬ。二匹飼えば互いに死ぬまで戦う」
「激しい気性の魚ですね」
「だがわしはこの魚が好きだ」
一言そう答えた。
「この闘争本能がな。狙った相手には最後まで立ち向かう。そのひたむきさが好きだ」
「はい」
「それでだ」
ここで彼はマイヨに対して言った。
「実は気になることを聞いた」
「何でしょうか」
「君の父上が生きておられるとな。今中国にいるそうだ」
「まさか」
「そう思いたいか?だがそれが真実だとしたら」
「・・・・・・・・・」
マイヨは答えられなかった。だがギスカールはそんな彼に対して言葉を続けた。
「どうする?返答を聞きたい」
「はい」
こうして彼は地球に来たのである。今彼はそのことを思い出していた。
「ここにも連邦軍はいたな」
「はい」
カールが答えた。
「重慶の辺りに。あと香港にも」
「そうか。中国にか」
「どうしますか?」
「まずはグン=ジェム隊と合流してからだ」
マイヨはそう答えた。
「全てはそれからだ。いいな」
「ハッ」
プラクティーズの面々は彼に敬礼して応えた。そしてその後ろにいるメタルアーマー達も彼に従うのであった。
ロンド=ベルはその頃第二東京市を離れ香港に向かっていた。そして途中神戸に立ち寄っていた。
ここもまた港町であった。彼等はそこで補給を受けていた。それは海底城にいるリヒテルの耳にも届いていた。
「そうか、奴等は今神戸とかいう都市にいるか」
「はい」
報告をした兵士がそれに応えた。
「このまま日本を離れるようです。一体何のつもりでしょうか」
「ふむ、我等に怖れをなすような連中でもない。おそらく別の敵に向かっているのであろう」
リヒテルはそう読んだ。そshちえそれは正しかった。
「だがそれはかえって好都合やも知れぬな。我が軍のダメージも無視できぬ」
「はい」
「暫くは軍を整えるべきかも知れぬ。だが神戸には攻撃を仕掛けたい」
「それでは」
「うむ。出撃の用意をせよ。よいな」
「ハッ」
「リヒテル様!」
ここでバルバスが入って来た。何やら慌てふためいた様子であった。
「バルバス、どうした」
リヒテルは落ち着いた様子で彼に顔を向けた。
「落ち着け。指揮官がそんなに慌ててどうする」
「大変でございます」
「大変!?何があったのだ」
「小バームよりメルビ補佐官が来られました」
「何、メルビ補佐官が」
「はい」
バルバスはそこまで言ってようやく落ち着きを取り戻した。
「如何なされますか」
「ううむ」
リヒテルは考えた後でバルバスに対して述べた。
「メルビ補佐官はオルバン大元帥の甥」
「はい」
オルバンはバームの最高指導者である。リオン亡き後その後を継ぎ指導者となった形である
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