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東方守勢録
第十話
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悠斗はそう言ってまた笑っていた。


「二人とも積極的ね」


紫は部屋に入ったとたん、抱き合う二人を見ながらそう言った。


「うわっ!いって……」

「だっ……大丈夫ですか悠斗さん」

「それだけ動けるなら大丈夫そうね……さて、あなたに聞きたいことがあるのだけど……」

「俺に……ですか?」


聞き返す悠斗だったが、その表情は覚悟をした様子だった。


「ええ。なぜ革命軍がここに来たのかとか、これから何をしようとしていたのかとか、あなたが知ってることなんでもいいわ。話してほしい」

「……わかりました。軍の機密情報まではわからないんですが……簡単なことだったら……」


と言って、悠斗は自分が知っていたことをすべて話し始めた。

ここに来ることになった理由・ここで何をしていたか・なにが目的なのかなど、すべて簡潔に話して言ったが、内容が多くすべて話し終えたときは一時間以上経過していた。


「……こんなところですかね」

「そう……ありがと。さて、これからどうするの?」

「……もう軍には戻れないでしょうね……元の世界に戻る方法を地道に探します」

「それじゃあ、その子はどうするの?」

「えっ……」


その子と言われ反応してしまったのか、悠斗はちらっと雛の方を見る。同時に雛も悠斗の方を見ており、一瞬目が合ってしまった。

そしてすべてを理解したのか、悠斗ではなく雛が顔を赤く染めていた。


「紫さん!わっ私と悠斗さんはそのような関係では……」

「そのようって……私何も言ってないわよ?」

「えっ……ですから……その……まだ……」

「まだ?」

「……」


紫にちゃかされた雛はついに黙り込んでしまった。悠斗はそんな彼女をみながら軽く笑っていた。


「でも、俺にはここにいることなんて……」

「ここはすべてを受け入れる幻想郷よ。もともと敵だからって、いてはいけないなんてものないわ」

「はあ……」

「じゃあ言い方を変えるわね。私達と戦ってもらえるかしら?」


紫は軽く笑いながらそう言った。

悠斗は少し驚いた表情を見せたが、すぐに真剣な表情に戻っていた。いくら彼女がそう言っても、自分のなかではそれがゆるせなかったのだろう。

そんな悠斗をみて、雛が口を開いた。


「私からもお願いします」

「雛さん……」

「あなたは悪い人ではありません。私が保証しますから」

「……そうですか……わかりました。そこまで言ってもらえるなら……よろしくお願いします」


そう言って悠斗は軽く頭を下げた。紫は「ええ。よろしく」とだけ言うと、部屋を後にした。


「さて……これで一
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