第二十一話 漢の道
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の学校がどんなのか見たくて」
「僕も一緒ですよ」
見ればウッソ達も一緒だった。
「保護者はいないがな」
ヒイロも当然のようにいた。
「かわりにリリーナがいる」
「シンジさん、どうも」
「あ、はい」
シンジはリリーナに挨拶を返した。
「日本の学校も独特の雰囲気があっていいですね」
「そうでしょうか」
「はい。私はこの雰囲気が気に入りました。できればこうした学校に通いたいですね」
「はあ」
シンジはそれを聞きながら少し力のない言葉を漏らした。
「けれどこれといって何もないですよ」
「私はそうは思いませんけれど」
「そうでしょうか」
「はい」
やはりリリーナは普段と全く変わってはいなかった。よく言えばマイペースであり、悪く言ってもやはりマイペースであった。それがリリーナであった。
「ところでリリーナさんはどうしてここにいるんですか?」
アスカが甲児との喧嘩を中断して彼女に問うた。
「私がですか?」
「はい」
「火星でのバーム星人との交渉が不首尾に終わりまして。そしてナデシコでここまで来ました」
「ナデシコで」
「ええ。それが何か」
「いや、ナデシコってあまり知らなかったから」
「そういえばアスカはグランガランからあまり出ないよね。あと大空魔竜にいた時もそうだったし。何で」
「たまたまよ、たまたま」
シンジにそう反論した。
「あたしだってそりゃ他の艦に行きたいわよ。けれど何か嫌な予感がするのよね」
「嫌な予感?」
「ええ。何かとんでもないのに出会いそうで」
「ナデシコにはそんな方はおられませんわよ」
「というのは嘘だ」
すぐにウーヒェイがリリーナの言葉に突っ込みを入れた。
「あの艦長には注意しておけ」
「確かユリカさんやったっけ」
「そうだ」
トウジにそう答えた。
「いきなり何をするかわからん。それだけは覚えておけ」
「ウーヒェイが言うと説得力があるな」
「あんたより無茶なのもいるのね」
アスカが甲児に突っ込みを入れたが彼はそれを今は珍しくスルーした。
「それでだ」
「まだ何かあるのか」
ヒイロが問うた。
「ここにはあとどれだけいられるんだろうな」
「一週間ってとこじゃねえのか。早けりゃ明日にでも出なくちゃいけないだろうな」
デュオが答えた。
「それだけか」
「嫌なの?」
レイがシンジに問うた。
「正直に言うとね。やっぱり学校にいるのは楽しいし」
「そういうものなのか」
トロワの言葉はいささか感情を欠いていた。
「俺にはよくわからないが」
「まあ俺だって学校にいたら何かと楽しいしな」
「甲児君は給食とかお弁当だけでしょ、楽しみなのは」
「ちぇっ」
さやかのその言葉に口を尖らせた。彼等はそんな話をしながら学校での生活を
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