第二十話 冥府の王、その名は天
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よ。よいな!」
「ハッ!」
ハレックは出撃した。そしてそのままロンド=ベルに向けて名乗りを挙げた。
「竜崎一矢よ、聞こえるか!」
「何だ!」
一矢はすぐにそれに応えた。
「俺の名はガーニー=ハレック!バーム武術師範の名にかけて御前に決闘を申し込む」
「決闘だと!?」
「そうだ」
ハレックは応えた。
「共に母星の誇りを賭けた一騎打ち。受けてみるか!」
「望むところだ」
一矢は躊躇うことなくそれを受けた。
「おい、何を言っている」
京四郎がそれを止めようとする。
「罠に決まっているだろうが」
「そうよ、お兄ちゃん」
ナナも言った。
「どうせ罠よ。やられるに決まってるわ」
「いや」
だが一矢は二人の言葉に対して首を横に振った。
「あのハレックという男の気迫は本物だ。ここで背を向けるのは男の・・・・・・いや、地球人の恥だ!」
「ほう」
ハレックはそれを聞いて嬉しそうな声をあげた。
「どうやら地球人の中にも男はいるらしいな」
「当然だ」
一矢はそれに返した。
「行くぞ、ハレック」
「うむ。誰にも邪魔をされないところで勝負をつける。よいな」
「断る理由はない。皆、行ってくる」
そう言ってロンド=ベルの他の面々に顔を向ける。皆それに頷いた。
「ああ、行け」
「勝ってこいよ」
「有り難う。じゃあ」
そしてダイモスは移動した。ハレックのダリもそこに移る。二人はそこであらためて正対した。
「よくぞ来た、竜崎一矢」
まずはハレックが言った。
「俺の挑戦を受けてくれた礼を言おう」
「礼はいい」
一矢はそれに対してそう答えた。
「何故なら御前はここで俺に倒されるからだ」
「フ、その言葉はそのまま御前に返そう」
ハレックも負けてはいなかった。
「行くぞ、竜崎!」
「来い、ハレック!」
こうして両者が激突した。互いに攻撃を仕掛け合う。
「トォッ!」
「タァッ!」
攻撃が交差した。両者はそれを見て互いに笑った。
「噂以上になるな。俺の相手に相応しい!」
「それはこっちの台詞だ!俺の空手を受けてみろ!」
そして両者はまた互いに攻撃を仕掛け合う。両者はそれが終わるとまた笑った。
「流石だぜ、ハレック」
今度は一矢が言った。
「この俺の空手と互角に戦うとはな」
「フフフ、久し振りに心踊る戦いだ」
彼もまた戦いの美酒に酔おうとしていた。
「御前のような真の武人と出会えたことを戦いの神に感謝したくなる」
「全くだ」
それは一矢も同じであった。
「だが竜崎一矢よ」
ハレックは一矢を見据えて言った。
「俺達は敵同士だ。決着をつけるぞ!」
「おう!」
そしてまた激しい攻撃の応酬をはじめる。両者は五分と五分の勝負を繰り広げていた。だがここ
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