第二十話 冥府の王、その名は天
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があるのだが。覚えているかな」
「申し訳ありませんが」
マサトはそれを否定した。
「覚えてないです、すいません」
「そうか、ならいい」
沖はそれを聞くとそう答えた。特に何もないようではあった。
(変な人だな)
マサトは沖と話をしながらそう思った。そこへ沖がまた声をかけてきた。
「それで君の今後だが」
「はい」
「ゼオライマーに乗ってもらいたい。いいか」
「何ですか、そのゼオライマーって」
「すぐにわかる」
一言そう言っただけであった。沖は今後は美久に顔を向けた。
「マサトをあの場所へ」
「わかりました」
一瞬顔を伏せた後でそう答えた。そしてマサトの手を掴む。
「マサト君、こっちへ来て」
「な、何なんだ今度は」
だがその力には逆らえなかった。彼はそのまま連れて行かれた。そこは独房であった。
「暫くここにいてね」
「な、何故なんだ、どんしてこんなところに!」
「すぐにわかるわ」
美久はそう言うだけであった。そして彼をそのままにして立ち去った。
「お、おい何処に行くんだ!何故僕がこんな目に遭わなくちゃいけないんだ!」
マサトは叫んだ。だが誰も来なかった。彼は一人になった。
それから暫く経った。沖は美久に問うた。
「奴は今どうしている」
そのサングラスの奥の目の光が少し複雑なものとなっていた。
「今のところ変わりはないようです」
彼女はそう答えた。
「そうか、今のところは」
「はい」
「だがいずれ出て来るな、あの男が」
「あの男とは?」
「美久」
沖は答えるかわりに美久の名を呼んだ。
「マサトをここに連れて来てくれ」
「わかりました」
こうしてマサトが連れて来られた。彼は完全に憔悴しきっていた。
「一体何でこんな・・・・・・」
「答える必要はない」
沖の返答はこうであった。そして言葉を続ける。
「これから御前にはやってもらうことがある」
「やってもらうこと」
「そうだ。美久、連れて行け」
「はい」
そしてマサトはまた連れて行かれた。
「今度は一体・・・・・・」
「ここよ、マサト君」
そこはコクピットの中であった。何かしらの機具が周りにある。
「ここは・・・・・・」
「マサト、思い出したか」
モニターに沖の顔が映る。彼はそこからマサトに対して問うてきた。
「何を」
「あの男のことだ」
沖はそうマサトに対して言った。
「あの男のこと」
「そうだ。思い出せないか」
「何のことなのか・・・・・・」
「では思い出すのだ。早くな」
「貴方は一体何を言っているんですか!?僕を無理矢理ここに連れて来て閉じ込めて」
「全てはあの男の為だ」
「またあの男って・・・・・・」
マサトには何が何か完全にわからなくなってきていた
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