第二十話 冥府の王、その名は天
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そう思っていろ」
ピートはそう言ってその場を後にした。そして彼等は別れた。
「京四郎さん」
ナナはそれを見ながら京四郎に声をかけてきた。
「何だ」
「どっちが正しいのかしら。あたしにはわからなくなってきた」
「どちらが正しいということはない」
京四郎はそれに対してそう答えた。
「そうだな」
それにリーが頷いた。
「強いて言うならどちらも正論だ。だがそのせいでぶつかってしまうんだ」
「そうですね。難しいところです」
ブンタもそれに同意した。彼等もまた難しい顔をしていた。
「・・・・・・・・・」
ナナはそれを見て沈黙していた。彼女にはまだ彼等の言葉の意味がよく理解出来なかった。
リヒテル達は海底に築いた基地に撤退していた。海底城である。
「リヒテル様」
一人の兵士が司令室にいるリヒテルに声をかけてきた。
「ハレック様が戻られました」
「まことか!?」
リヒテルはそれを聞いて思わず声をあげた。
「はい」
その兵士は答えた。
「それは何よりだ。すぐにこちらへ連れて参れ」
「ハッ」
彼はそれを受けて敬礼し部屋を後にした。そして暫くしてハレックがやって来た。
「よくぞ無事だった、心配していたぞ」
リヒテルは彼に対し微笑みを浮かべそう声をかけた。
「申し訳ありません」
だが彼は頭を垂れてリヒテルに対して謝罪した。
「?何故謝るのだ」
「お約束を果たせぬままおめおめと帰還してしまいました」
「よい」
だがリヒテルはそれを咎めようとしなかった。
「そなたの戦いぶりは知っている。ライザのことも不問に処す」
「・・・・・・・・・」
ライザはそれを聞いてその整った眉を顰めさせた。
「あのライザの行動は忘れてくれ。処罰は余がしたからな」
「はい」
「竜崎一矢の首を取るのは次の機会でよい。それまでは身体を休めよ」
「有り難き御言葉」
「気にすることはない。そなたは見事な戦士だ」
「有り難うございます。ですがこのハレック、リヒテル様に一つ申し上げたいことがあるのですが」
「申し上げたいこと。余にか」
「はい。よろしいでしょうか」
「よい。何なりと申してみよ」
リヒテルは優しい声でそれを認めた。
「それで何だ」
「はい」
それを受けハレックは口を開いた。
「地球人とのことですが」
「うむ」
「争いをお止め下さい」
「何だと・・・・・・!?」
リヒテルだけではなかった。それを聞いた全ての者の顔が強張った。
「今、何と申した」
「地球人との争いをお止め下さい」
ハレックは再び言った。
「地球人は決して話のわからない者達ではありません故」
「たわけっ!」
リヒテルは激昂した。そしてハレックを打った。
「うっ・・・・・・」
「馬
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