第二十話 冥府の王、その名は天
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でライザのガルンロールが後ろから一矢のダイモスに接近してきた。
「ムッ!?」
「竜崎一矢!」
ライザはダイモスを見据えながら言った。
「覚悟っ!」
「ぐわあっ!」
後ろからの攻撃であった。これを避けることはできなかった。
「あの女、何てことを!」
「ほら、やっぱり罠だったじゃない!」
京四郎とナナはそれを見て叫んだ。
「一矢、ここは後退しろ!」
「待て!」
だがここで叫ぶ者がいた。それは一矢ではなかった。
「この勝負、誰にも邪魔はさせん・・・・・・!」
それはハレックであった。彼はライザのガルンロールの前に出てそう叫んでいた。
「ハレック!」
ライザはそれを見て信じられないといった顔をした。
「馬鹿な、これは戦いなのだぞ!」
「そうだ、戦いだ」
ハレックはライザを睨みつけてそう言った。
「だからこそ邪魔はさせん!」
「何を言っているのだ」
ライザは彼の言っている意味がわからなかった。彼女の戦いと彼の戦いは根本から違っていたのだ。
「ダイモスを倒すのは今をおいて他にないのだぞ」
「いや」
しかしハレックはそれに対して首を横に振った。
「俺はそうは思わん」
「どういうことだ」
「武人の心もわからないのか」
「そんなもの何になる」
ライザは反論した。
「バームの為、そしてリヒテル様の為に勝てばいいのだ」
「どうやら御前と俺とは決して分かり合えぬ仲らしいな」
ハレックはその言葉を聞いてそう呟いた。
「ならば尚更ここを通すわけにはいかん」
そう言ってダイモスの前に来た。
「ハレック・・・・・・」
「おのれ、敵をかばいだてするか!」
「違う!」
それに対してハレックはまた叫んだ。
「俺と竜崎は男と男の勝負をしたのだ!それを汚されたくはないだけだ!」
「まだ言うか!」
だがライザはそれを聞いてもさらに激昂するだけであった。
「ならば貴様も死ね!」
そう叫び破壊光線を放つ。だがハレックはそれを直に受け止めた。
「何っ!」
「うおおおおおおっ!」
そしてそれを弾き返した。だがそれはかなりのダメージであった。
「ハレック!」
ハレックの乗るダリは落下していった。そしてそのまま海に消えた。
「まさか・・・・・・」
「ええい、ライザめ、余計なことを」
リヒテルはそれを見て叫んだ。
「撤退だ、一時態勢を立て直す!」
「リヒテル様、しかし」
「黙れ!」
リヒテルは何かを言おうとするライザを一喝した。
「貴様に言う資格はない。下がれ!」
「は・・・・・・」
こうしてバーム軍は撤退した。後にはロンド=ベルだけが残った。
「これで終わりかな」
ウッソが撤退するバーム軍を見てそう呟いた。
「また激しい戦いだったけれど」
そして
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