第十九話 再会
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第十九話 再会
地上に出た二隻のオーラシップは日本に出た。そこは日本で第一の軍港横須賀であった。
「久し振りだな、ここに来るのも」
「ああ」
タダナオとオザワは互いにそう話をした。彼等は何回かこの港に来たことがあるのだ。
この港が開かれたのは明治以降であった。ここに目をつけた海軍が軍港を置いたのである。以後この横須賀は呉と並ぶ海軍の軍港となった。それは海軍から海上自衛隊、そして連邦軍になっても同じであった。今ここには多くの連邦軍の艦艇が停泊していた。
「あの戦艦は何だ?」
ショウは港に見える変わった形の戦艦を指差した。
「えらく変わった戦艦だな」
見れば艦橋がピラミッドの形をしている。見たこともない艦であった。
「ノヴァイス=ノアだな」
タダナオがそれに答えた。
「ノヴァイス=ノア」
「ああ。連邦軍でも特別な艦でな。詳しいことは俺も知らない。任務とかも一切秘密なんだ」
「そうなのか」
「ああ。ただあの艦がここにいるなんて珍しいな」
「それを言ってた俺達がここにいるのも珍しいぜ」
マサキがタダナオに対して言った。
「グランガランとゴラオンのことは知っている奴も多いからここには無事置かせてもらったけれどな」
「ああ、そうだったな」
タダナオはマサキの言葉に頷いた。
「それにしてもよく置かせてもらったよ、こんなもの」
「全くだ」
上を見上げる。そこには二隻の戦艦が浮かんでいた。
「まさかシュウがここに俺達を送るとは思わなかったな」
「一体何のつもりなんだろな」
「わからねえな」
マサキはその問いに対して首を横に振った。
「あいつのやることはどうもよくわからねえ。企んでいるのは事実だろうがな」
「企んでいる」
「そうさ、あいつはそういう奴だ」
顔を顰めながらそう言う。
「物腰は穏やかだが腹の中では何考えているかわかりゃあしねえ。だからあいつには注意しろよ」
「そうなのか」
そう言われてもタダナオはピンとこなかった。シュウには悪い印象はないからである。
「まあここに来ちまったもんは仕方ねえな。俺も横須賀は行ってみたいと思ってたんだ」
「そうなのか」
「ああ。だから後で遊びに行かねえか。たまには洒落た街も悪かねえ」
「そうだな。じゃあ案内しようか」
「頼めるか?」
「ああ」
タダナオは頷いた。横須賀はかってアメリカ軍の基地もありその街並みは異国情緒溢れるものであるのだ。かっての敵国の文化が色濃いというのも歴史の皮肉であろうか。
「店は大体知っているしな。ここは俺に任せてくれ」
「じゃあ頼むぜ」
「ちょっと待った」
だがそれをオザワが止めた。
「何かあるのか?」
「あれを見ろ」
オザワはそう言って前に広がる海を
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