第十九話 再会
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リオンを殺されている。今その恨みを晴らしにここに来た」
「勝手なことを言うな!」
一矢がそれに反論した。
「俺も御前達に親父を殺されている!」
「黙れ!」
だがリヒテルはそれを聞いて激昂した。
「元はと言えば貴様等の姦計のせいだ。貴様の父は自らの罪の報いを受けただけだ!」
「俺の父さんはそんなことはしない!」
「では何故我が父は死んだ!」
「あれは何かの間違いだ!」
「問答無用!」
リヒテルはこれ以上何かを言うつもりはなかった。そう言って話を打ち切った。そして左右に控えている大男と髪の長い妖艶な女に声をかけた。
「オルバス、ライザ」
「はっ」
二人はそれに応えた。
「思う存分やるがいい。そしてこの戦いを我等の復讐のはじまりとするのだ」
「了解致しました」
「お任せ下さい、リヒテル様」
二人はそう言うとそれぞれの機に移った。見ればリヒテルが乗っているものと同じものである。
「そなた等にそのガルンロールを与えよう」
「有り難き幸せ」
「それで思う存分地球人共に正義の鉄槌を下すのだ。余も行く」
「いえ、リヒテル様はここで戦局全体の指揮をお願いします」
だがここでライザがこう言った。
「?何故だ」
「リヒテル様は我等の司令官です。何かあっては」
「ライザ」
だがリヒテルはそれに対して嫌悪感を露わにした声を送った。
「余が奴等に遅れをとるとでもいうのか?」
「いえ、それは」
「ならわかるな。余計な詮索は無用だ」
「はっ」
「余も行く。そして自らの手で裁きを下してくれる」
「わかりました」
「わかればよい。では行くぞ!」
「はい!」
「全軍攻撃開始!地球人を一人残らず成敗せよ!」
こうしてバーム軍の攻撃がはじまった。早速激しい応酬がはじまる。ミサイルやビームが交差し激突する。ナデシコもそれに参加していた。
「ミサイル撃っちゃって!」
「ミサイル発射です」
ユリカとルリの声が艦橋で聞こえている。ユリカは身体全体を動かしながら言うのに対してルリは冷静なままであった。
「どんどん撃って!」
「はい、どんどん」
「ルリちゃん、それじゃわんこそばよお」
ミナトが突っ込みを入れる。
「まあいいからいいから」
ユリカがそう言う。
「そばならそばで打っていいから!」
「了解」
ナデシコの艦橋は他の艦とは違っていた。やはり雰囲気が明るいのだ。いや、明るいというよりは能天気なものであった。その中心にいるのはユリカであるのは言うまでもなかった。
「さあ、敵の攻撃はちゃっちゃっとかわして」
「回避行動お願いします」
「わかったわあ」
ミナトがナデシコを動かす。そしてライザのガルンロールの攻撃をかわした。
「よし!」
ユリカが会心の笑みでガッツポーズをする。
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