第十九話 再会
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うっての!」
二人はまたいがみ合いをはじめた。だが皆それを見ても落ち着いていた。
「止めなくていいのか?」
ケーンがジュドー達に尋ねた。
「ああ、あの二人は放っておいていいぜ」
「喧嘩する程仲がいい」
「そういうこと」
そう言って誰も間に入ろうとしない。それを見てケーンは首を傾げた。
「そういうもんかね」
「まあここはそういうところですから」
そんなケーンにカトルが答えた。
「ですから気にしなくていいですよ」
「そうか。じゃあ気にしないぜ。それでいいな」
「はい」
そんなやりとりをしながらロンド=ベルの面々は集結した。それぞれの艦に戻る。一矢はナデシコに入るとすぐに艦橋に向かった。
「何でエリカを行かせたんだ!」
一矢はナデシコのクルー達にそう叫んだ。
「エリカは・・・・・・」
「一矢さん」
そんな彼にユリカが声をかけてきた。
「何だ!?」
「あの人はバーム星人だったのよ。言って悪いことはわかってるけど」
「それがどうしたっていうんだ!エリカは俺の・・・・・・」
「大切な人なのですね」
また叫ぼうとする彼に今度はルリが声をかけてきた。
「あ、ああ・・・・・・」
ルリの静かで落ち着いた声を聞いて彼は少し落ち着きを取り戻した。
「そうだ。けれど・・・・・・」
「ですから私達はあの人を行かせたのです」
「何故だ」
「貴方が大切に思う人に傷をつけられるでしょうか。あの人を止めたなら自分で命を絶たれたかも知れません」
「エリカが!?馬鹿な」
「一矢さん、貴方は心優しい方です。おそらく貴方はあの人がいる限りあの人を守られると思います」
「それが悪いというのか」
「あの人にとっては」
ルリの声が少し哀しみを帯びたように聴こえた。
「あの人も心優しい人です。貴方が自分の為にそうして苦しむのを見たくはないでしょう」
「だからといって・・・・・・」
「安心して下さい」
あえて語気にほんの少しだが力を入れた。
「あの人は無事です。そして必ずまた貴方の前に現われるでしょう」
「何故そう言えるんだ!?」
「愛があるからです」
ルリは率直に言った。
「愛、が」
「はい。一矢さん、貴方はエリカさんを愛しておられますね」
「ああ」
「そしてエリカさんも貴方を愛しておられます。それで充分です」
「それだけで何とかなるというのか」
「そうです。私はそう思います」
「何故だ、何故そんなことが言えるんだ」
「愛は不滅だからです」
ルリは一矢を見てそう言った。
「この世で最も強いものだからです」
「・・・・・・・・・」
一矢は答えられなかった。だがそれで感情は完全に鎮まった。
「私は一矢さんとエリカさんが必ずもう一度笑い合って過ごせる時が来ると思っています。です
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