第十八話 白い流星 赤い彗星
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。
「大丈夫ですよ、二人共」
「えっ、どうして」
ツグミのにこやかな顔を見てかえって二人が驚いていた。
「あのアルテリオンは元々恒星間航行の為に開発されたものですから。大気圏での戦いも可能なのです」
「けれどそれでも」
「話は最後まで。いいですか」
「は、はい」
二人はそれを受けて頷いた。
「それで大気圏突入も単独での地球への降下も可能なのです。わかりましたか」
「はい」
「そういうことなら」
「シナプス艦長もそれで宜しいでしょうか」
「ううむ」
彼はツグミにそう言われ考え込んだ。
「本当に大丈夫なのだな」
「はい」
「任せておいて」
アイリスにもそう言われ彼はようやく決意を固めた。
「よし、それでは任せる。ベガリオンを止めてくれ」
「了解」
「じゃあアイリス、行きましょう」
こうしてアルテリオンは出撃した。そしてベガリオンの前に出て来た。
「来たな、アイリス」
スレイはアルテリオンを見据えて言った。
「ラー=カイラムはどうでもいい。私の目的は御前だけだ」
「わかってるさ」
アイリスは落ち着いた声でそう返した。
「だからここまで来たんだろう?決着をつけてやるよ」
「望むところ」
ベガリオンが動いた。
「行くぞ!」
「来い!」
「アイリス!」
ここでブライトの声が聞こえてきた。
「大佐」
「無理はするな。地球で待っているからな!」
「すいません」
アイリスはその言葉を受けて礼を言った。
「すぐに向かいますから」
「ああ、必ずだぞ」
ブライトはそう言葉を返した。
「待っているからな」
「はい」
三隻の戦艦は突入を開始した。熱がその艦体を覆う。
「行ったか」
「これでとりあえずは安心ね」
アイリスとツグミはそれを見送って呟いた。
「後はあんただけだね」
そしてスレイに目をやる。彼女のベガリオンは既に攻撃に入ろうとしていた。
「食らえっ!」
攻撃を放った。だがそれはアルテリオンにかわされてしまった。
「この程度でっ!」
「アイリス、その調子よ!」
「ふん、二人いれば勝てると思っているのか」
「あ、そうさ」
アイリスはスレイの言葉に対しおくびもなくそう答えた。
「あたしはツグミと一緒なら何処ででも戦うことができる」
「アイリス・・・・・・」
「そして生き抜くことができる。それはスレイ、あんただって同じ筈だ」
「私が」
「そうさ。あたしはそれを知っている」
「言うな!」
だがスレイはそれを否定するように叫んだ。
「私は誰の力も否定しない。このベガリオンがある限り」
「そのベガリオンは二人乗りだったとしてもか?本来は」
「ぬうう」
それを聞いてさらに顔を歪めさせた。
「言うな、これ以上言うのは許さない」
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