第十八話 白い流星 赤い彗星
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は少し意外だな」
「今更もう驚いたりはしませんよ。今までもっと凄い人間に会ってきましたから。あいつもかってはどうしようもない奴でしたし」
「君もな。あの頼りない姿が嘘みたいだ」
「昔の話は止めて下さいよ」
「ははは、これは済まない。それではエマ中尉に宜しくな」
「わかりました」
こうしてヘンケンはモニターから姿を消した。後には懐かしそうな笑みを浮かべるブライトがいた。
「やっとあいつに会えるな」
「これでロンド=ベルも鬼に金棒ですね」
トーレスがブライトに対して言った。
「あの人がいると何かと頼りになりますよ」
「確かにな」
ブライトもそれは同じ考えであった。
「あいつがいてくれるといないとではやっぱり違う」
「艦長の負担も減りますしね」
「それはどうかな」
「あれ、違うんですか」
「ああ。残念だが私の仕事は減らない。むしろこれからより忙しくなるかもな」
「厄介ですね」
「何、それが仕事だ。それを苦にはしていないさ。それよりだ」
「はい」
ここで態度を引き締めさせた。
「すぐに合流を済ませて地球へ向かうぞ。いいな」
「了解」
「ナデシコとアルビオンにも伝えてくれ。三隻で向かいたいと。その際警戒を怠らないようにとな」
「わかりました。やはり敵は来ますかね」
「少なくとも来ると思っておいた方がいいのは確かだ」
「成程、いつも通りですね」
トーレスとサエグサはそれを聞いて頷いた。
「わかりました。それではアルビオンとナデシコにはそう伝えておきます」
「それでいいですね」
「ああ、宜しく頼む。いつものパターンだと大気圏突入の頃にやって来るぞ」
「この前はシロッコでしたし今度は誰ですかね」
「おいトーレス、そんなこと言うと本当に来ちますぞ」
「おっと、そうだった」
二人はそんなやりとりを続けていた。ブライトはそれを横目で見ながら考えに耽っていた。
「地上か。おそらくここよりも激しい戦いになるな」
彼は一言そう呟いた。
「あいつが来てくれるのは正直有り難いな」
そして友を待つのであった。その目は遠くの銀河を見ていた。
やがて数機のモビルスーツとエステバリスがやって来た。まずは赤いモビルスーツが入って来た。
「おっ、久し振りだな」
まずジュドーがその赤いモビルスーツを見て声をあげた。
「やっぱりサザビーも来たか。乗ってるのはあの人かな」
「久し振りだな、ジュドー」
サザビーのコクピットが開いた。そして中からサングラスの男が出て来た。
「元気そうで何よりだ」
「クワトロ大尉、お久し振りです」
一緒にいたカミーユが声をかける。その男クワトロ=バジーナはそれを受けて微笑んだ。
「カミーユも元気なようだな。どうやら私のような老いぼれは必要ないのかも知れない」
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