第十六話 シュウ、再び
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叫ぶ。彼女達は今目の前に現われた青いマシンの事をよく知っていたのだ。
「まさか生きていやがったとはな」
マサキは青いマシンを見据えて言った。
「シュウ、これは一体どういうことなんだ。説明してもらおうか」
「おや、マサキではありませんか」
その紫の髪の男はそれに応えて顔を彼に向けた。彼がシュウ=シラカワであった。本来の名をクリストフ=グラン=マクゾート、ラングランの王族でもある天才科学者である。グランゾンの開発者兼パイロットでありその真の姿であるネオ=グランゾンのパイロットでもある。
「お久し振りですね。元気そうで何よりです」
彼は微笑んで彼にそう答えた。
「やはりここにいましたか」
「どうやら何もかも知っているみてえだな」
「何をですか」
シュウはここであえてとぼけてみせた。それはマサキにもわかった。
「とぼけても無駄だぜ」
「おやおや」
「また何か企んでいるんだろうがそうはいかねえぜ」
「マサキ、貴方は変わりませんね」
「何!?」
「もう少し落ち着かれてはどうですか。まさか私が今ここで貴方達を敵に回すとでも思っているのですか?」
「何しらばっくれていやがる。あの時のこと忘れたとは言わせねえぞ」
「あの時はあの時です」
シュウはしれっとした態度でそれに答えた。
「今私は少なくとも貴方達と戦う為にここに来たのではありません」
「何っ!?」
「私が今ここに来た目的は・・・・・・」
だがここでラセツが話に入って来た。
「待て!」
「ん!?」
シュウはそれに気付いて彼に顔を向けた。
「おや、貴方は」
「グランゾン・・・・・・シュウ=シラカワ、いやクリストフ=グラン=マクゾートだな」
「懐かしい名前ですね」
シュウはラセツの言葉にそう嘯いてみせた。
「一体何の御用ですか」
「それはこちらの台詞だ」
ラセツは彼を見据えてそう言った。
「何の目的でここに来た」
「貴方には関係のないことです」
「どういうことだ」
「少なくともシュテドニアスにはね。所詮貴方達はこの話では部外者に過ぎないのですよ」
「部外者だと!?」
「ええ」
シュウは答えた。
「私がここに来た話にはね。それに貴方は今ここでいていいのですか?」
「どういうことだ」
「シュテドニアスで何が起こっているか御存知ないのですか」
「シュテドニアスで」
「はい。たった今ゾラウシャルド大統領の弾劾裁判が決定しましたよ。今までの強引なやり方が問題となりましてね」
「何っ!?」
流石のラセツもそれを聞いて驚きの声をあげた。
「出まかせを言うな」
「私が出まかせを言うような人間だとも?」
シュウはそれにそう言葉を返した。そうであった。シュウは決して嘘や出まかせの類を言うような男ではないのだ。それは広く知
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