第十六話 シュウ、再び
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をはじめた。他の者が助太刀に動く前にタダナオは言った。
「手を出さないでくれよ」
「あ、ああ」
皆それに従った。あえて周りで見守るだけであった。
「これは俺とこいつの勝負だからな」
「ケリをつけてやるぜ」
剣を引き抜き斬り合う。彼等は互いに一歩も引かなかった。
二人が戦いをはじめている間にまた影が来た。今度は異様に巨大な影であった。
「ん!?」
「何だこの禍々しいプラーナは」
マサキは何かよからぬものが来たのを感じた。すると空に巨大な赤い魔装機が立っていた。何やら長い尾まで持っている。かなり異様なシルエットであった。
「何だあれは」
「バイラヴァという」
その赤い魔装機から声がした。
「バイラヴァ」
「そうだ、我がシュテドニアスの切り札とも言える魔装機だ。我が国がその総力を挙げて作り上げた究極に魔装機がこのバイラヴァだ」
「バイラヴァ・・・・・・。ヒンドゥーでいう破壊の神シヴァの化身の一つであったな」
「その通り」
男はティアンの言葉に答えた。
「シュテドニアスの守り神でありラングランを破壊する神なのだ。このラセツ=ノバステと共にな」
「ラセツ」
「確かシュテドニアスの大佐だったな、特殊部隊の」
ファングがそれを聞いて言った。
「確かゾラウシャルドの腹心だった筈だが」
「ほう、よく知っているな」
ラセツはそこまで聞いてそう答えた。肯定の言葉であった。
「その通りだ。如何にも私はシュテドニアス軍特殊部隊の者だ」
「それが何故ここに」
「君達の存在が邪魔だからだ」
彼は周りを取り囲みだしたラングランの魔装機達を見回しながら言った。
「邪魔?」
「そうだ、私の野望にな」
今度はザッシュに対してそう答えた。
「我がシュテドニアスがこのラ=ギアスの覇権を握る為にはな。ラングランの存在は邪魔でしかないのだ」
「そしてそのラングランにいる俺達こそがその最大の障壁だと言いたいのだな」
「否定はしない」
「クッ」
マサキはそれを聞いて歯噛みした。
「こうまであからさまに野望を剥き出しにしてくれるとはな」
「隠す必要もないからだ」
ラセツは冷たい声でそう言い放った。
「君達はどちらにしろここに死ぬのだからな。このバイラヴァによって」
「できるとでも思ってるのかよ、このサイバスターを」
「如何にも」
しかし彼の態度は変わらなかった。
「このバイラヴァに不可能はないからな」
「へっ、面白え、じゃあやって見せてもらおうじゃねえか」
「フン」
ラセツは冷たく笑った。そしてバイラヴァから何かを放った。
「ムッ!」
皆それを見て一斉にバイラヴァから離れた。バイラヴァを中心に黒い瘴気が辺りを支配した。
「フッ、かわしたか。やはりビッグバンウェーブはかわすか」
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