第十六話 シュウ、再び
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なかった。実はセニアには王位継承権がない。彼女にはあまり魔力が備わっておらず王位継承権から外れているのだ。ラングラン王になるには血筋だけでなくそれなり以上の魔力も必要とされているのである。
「何なら護衛を送りましょうか」
「護衛!?」
「はい」
シュウはまたフェイルにそう言った。
「サフィーネ」
「はい」
ここで赤い魔装機が姿を現わした。かなり禍々しい姿であった。
「彼女か」
「はい」
「お久し振りですわね、フェイル殿下」
その赤い魔装機に乗る女がくすりと笑って言った。シュウの部下であるサフィーネ=グレイスであった。
「まさかここで会うとはな」
「あら、お嫌ですの?」
サフィーネはフェイルの反応を楽しむようにして言った。
「いや、そうではないが」
「彼女のことなら御心配なく」
シュウは微笑んでフェイルに対してそう言った。
「私が保障致しますので」
「わかった」
フェイルもそれを聞いて渋々ならがそれを認めた。
「それではお願いしたい。いいかな」
「喜んで」
サフィーネは笑顔でそれに応えた。これでセニアが地上に行くことが決まった。
「それでセニアは何か魔装機に乗るつもりなのか」
「どうしようかしら」
「まだ決めていないのか」
「ちょっとね。考えたけどあたしに合うのがなくて」
「それならノルス=レイなぞどうでしょうか」
「ノルス=レイ」
「はい」
シュウがまた頷いた。
「あれなら問題はないでしょう。セニア王女にも合っていますし」
「合っているのか」
「私はそう思いますが」
シュウはそう答えた。
「モニカ王女とセニア王女は双子なのですからね」
「確かにな」
フェイルは頷いた。だがここで言った。
「モニカは元気か」
「はい」
シュウは答えた。
「御心配なく」
「そうか、ならいい」
フェイルもそれを聞いて安心した声を出した。
「別に卿を疑っているわけではないがな。不愉快に感じたのなら申し訳ない」
「いえいえ」
フェイルもシュウがどんな男かは知っていた。決して女性に害を及ぼすような男ではない。それをわかったうえで確かめたのである。
「そしてモニカはどうなるのだ」
「暫く私の側でいてもらいたいのです」
「生憎ね」
「おや」
サフィーネがそれを聞いて小声で舌打ちした。しかしそれを聞いたのはタダナオだけであった。
「私の方でも色々とありましてね」
「そうか」
「まあフェイル王子はわかっておられるかも知れませんがね」
「?何をですか、シュウ様」
「それはおいおいわかることです」
彼はサフィーネにそう答えた。
「そうですね、チカ」
「え、ええ御主人様」
チカは突然そう言われ慌てて頷いた。しかしその理由がわかったのはフェイルだけであ
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