第十六話 シュウ、再び
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るのには耐えられないでしょう」
「だろうな」
それはフェイルにもわかっていた。彼はそれに頷いた。
「別の魔装機を用意して頂きたいのですが。宜しいでしょうか」
「といっても生憎ウェンディも向こうに行ってしまったしな。何がいいか」
「じゃああたしが選んであげる」
ここでセニアが出て来た。
「おお、貴女が」
シュウは彼女の姿を認めて声を出した。
「殿下がですか!?」
タダナオもであった。だが彼の声はシュウのそれとは違いいささか戸惑っていた。
「そうよ。何か不都合でも?」
「い、いえ」
タダナオはセニアにそう言われ慌てて首を横に振った。
「滅相もありません」
「ならいいけど。オザワさんだったわね」
「はい」
オザワは動じてはいなかった。セニアを見ても何とも思ってはいないようだ。おそらくタイプではないのだろう。
「今何機か余ってるんだけれど。どんなのがいいかしら」
「そうですね」
彼はそう尋ねられて考え込んだ。それから言った。
「機動力があるのがいいですね。そっちの方が戦い易いですし」
「わかったわ。じゃあこれね」
彼女はここで一機の魔装機の写真をモニターに映し出してきた。それは黄色い鋭角的なシルエットの魔装機であった。
「これは」
「ギオラストっていうの。風の魔装機の一つよ」
「風のですか」
「ええ。ジンオウは火の魔装機だったけれどこれならどうかしら。悪くはないと思うけれど」
「ううむ」
彼はセニアにそう言われまた考え込んだ。だが今度はすぐに答えた。
「わかりました。それでお願いします」
「ええ、わかったわ。それじゃあ兄さん」
セニアはフェイルに声をかけた。
「あたしも一緒に行くわ。いいでしょ」
「セニアもか!?」
彼はそれを聞いていささか驚いたような声を出した。
「ええ。ウェンディさんだけだと整備とかが大変でしょ。だから行きたいのよ」
「しかし」
だがフェイルは妹が地上に行くのにはあまり賛成ではなかった。彼は言葉を濁していた。
「地上の戦いは激しい。それはわかっているね」
「勿論」
彼女は笑顔でそれに頷いた。
「わかっててお願いしてるのよ。ねえ、いいでしょ」
「ううむ」
「フェイル殿下」
ここでシュウが彼に対して言った。
「セニア王女も行かせてあげてはどうですか」
「シュウ」
「セニア王女は魔装機にとって必要な方です。行かせてあげるべきだと思います」
「しかし」
「兄さん」
セニアがまた言った。
「クリストフ・・・・・・じゃなかったシュウもそう言ってることだしさ。いいじゃない」
「だが」
「大丈夫だって。あたしだって戦えるし。それにあたしを狙う奴なんてそうそういないしね」
「そういう問題ではないのだが」
フェイルの顔は晴れ
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