第65話 周瑜の治療は命がけ? 後編
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
す。事前にお伝えしなかったのは、そのことを知った正宗様が余計な真似をなさらないようにするためです。その敵意も正宗様の行いで良い方向に向かいました」
揚羽は話終わると目を開き私と麗羽を順番に見ました。
「な、なんですって!それは本当なんですの。何故、私達に黙っていたのです。正宗様、こうなっては周瑜を殺すしかありませんわ」
麗羽は揚羽を非難し、周瑜を殺しに行こうとしました。
「待て、麗羽、早まるな!」
私は麗羽を止めようと叫ぶと、揚羽は麗羽の体を羽交い締めにして止めました。
「こうなると思って言わなかったのです。周瑜は我らに監視されていることを承知で我らの招きに応じたのです。病をどうしても治したい気持ちが強かったのは事実と思います。しかし、正宗様に会って治療を受け気持ちが変化したのも事実です」
揚羽は麗羽を抑えながら、彼女を説得しました。
「放しなさい!揚羽さん、周瑜は私達に疑心を抱いているはず。洛陽に現れたのも、私達に組みしたと安心させ、離反する機会を狙ったものに違いありませんわ。後に禍根を残さないために、今夜、周瑜を殺しますわ」
麗羽は揚羽の戒めを解こうと暴れています。
「麗羽、落ち着いてくれ。私が二人を部屋に残したは言い争うだめじゃない。私の行おうとしていることの是非について、二人の意見を聞きたいと思ったからだ」
私は未だ重い体を無理に起こし麗羽に語気を強め言いました。
「正宗様・・・・・・。分かりましたわ。揚羽さん、放してくださいませんこと。もう、周瑜を殺しに行くとは言いませんわ」
麗羽が大人しくなると揚羽は彼女の拘束を解きました。
「正宗様、あなたが思うままに周瑜にお話ください。後のことは、この私にお任せください。周瑜を取り込む機会はこれが最後となるでしょうから」
揚羽は真剣な表情で私の目を見て言いました。
「揚羽さん、あなた何を考えていますの」
麗羽は揚羽を訝しむように言いました。
「私は正宗様が周瑜を取り込むことが叶わなければ、独断で彼女を今夜中に始末し、孫堅と孫策もこの黄巾の乱に乗じ始末するつもりでした。孫堅親子は所詮、海賊上がりの無頼者。戦場にて始末すれば、木っ端役人の死などどうにでもなります。ですが、孫堅親子は武人としては一流なので始末し損ねれば、禍根を残すものとなると思い最後の手段と考えておりました」
揚羽は怜悧な表情で麗羽に言いました。
「揚羽さん、そんなことを考えていましたの?」
麗羽は揚羽の言葉に驚いています。
「私は正宗様の夢実現のためならば、その障害をどのような手段を用いても全て取り除きます。逆に、正宗様の天下統一の夢実現のために働く人物ならば、この揚羽は命を掛けてでも推挙いたします」
揚羽は麗
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ